26BOOKS――創作本による26の表現

banka-an2003-09-30


昨日は仕事帰りに銀座まで足を伸ばし、銀座のギャラリー「TBOX」 < http://www.tbox.co.jp > で開催中の「26BOOKS――創作本による26の表現」を見に行ってきた。文字通り26人のアーティストによる手作り本の展覧会だ。26通りの自分の中に持っている「本」というものを自在に、奔放に表現していて実に面白い。どれも全然似ていない。
 
紹介してくれたのは出品者の一人でもある林るいさん。イラストレーターでクラフト・アーティストで絵本作家。絵本作家というと普通、絵を描いてお話を書く人のことを言うのだけど、るいさんは製本までしちゃう。
 今回の作品は「大きな木」。ニコ少年が大きな木の下で大好きな絵本を読んでいたらひらひらと一枚の葉っぱ。見ると「こんや きんきゅうかいぎがあります」とのこと。緊急会議っていったい・・・? お話は「どんぐりと山猫」や「雪渡り」(いずれも宮沢賢治)を思わせるが、キャラはちょっと東ヨーロッパっぽい雰囲気だ (違うかもしれない。美術音痴の蕃茄山人の言うことだからあまりあてにしないように) 。可愛いんだけど思慮深いニコ少年は魅力的。読み聞かせにも最適なんじゃないかな。

  ほかにも面白い作品がたくさんある。例えば守岡歩さんの「たす」。言葉遊びの絵本で、「と」の字を足すと別の言葉になるものが見開きで描かれている。
 例えば・・・・・。
 <左ページ>    <右ページ> 
 て(手)         とって(把っ手)
 まと(的)        とまと(トマト)
 めがね(眼鏡)     とめがね(止め金。イラストは新品の靴下についてる爪のついたU字型のやつ)
と言った按配。

  ほかにも言葉遊びでは、武田真由美さんの「助詞」が面白い。こちらはナンセンスで、
?モニターもニター(イラストはTVモニターがニターッと笑っている)
?チュウもちゅう(ねずみが葬式をしているイラスト)
?モヒカンも悲観(モヒカンの男が世をはかなんでいる)
と言った具合。


面白い作品が多くて時間がいくらあっても足りない。
それからじっくりと読みたいよね。大丈夫、会場には椅子が用意してあってじっくりと読める。だからあとは時間。8時まで開けていてくれるけどなるべく早めに行くことをおすすめしたい。

興味のある方は
この日記の左上の「ホームページ」をクリックして「蕃茄庵」トップーページに行き、そこからは→「メニュー」→「LINK」→「FINE ART」へ行き、林るいさんのサイトに行けば、詳しく載っています。

「26BOOKS――創作本による26の表現」
銀座8丁目・T-BOX < http://www.tbox.co.jp > にて
10月4日(土)まで。営業時間は12時から8時。最終日は5時まで