鞍馬天狗ふたたび

banka-an2003-10-08


皆さんもそう思ったと思うのだけど、「鞍馬天狗」っていうと映画なりドラマなりのイメージのイメージが強くて、原作のことはあまり考えたことがなかったというのが本音だ。
 映画化、ドラマ化されるのは杉作が登場する少年読物がベースになっていることが多いので、昨日書いた「歴史観のゆらぎ」というのを感じることもほとんどない。

 映画の天狗と言えばなんと言っても嵐寛寿郎だろう。といいつつ僕は見たことがないが。アラカン天狗は昭和31年が最終。僕の生まれる前だ。アラカンというと僕あたりでは「網走番外地」の鬼寅親分だ。

 僕にとっての映像の鞍馬天狗はなんと言っても高橋英樹。1960年代の末、NHKドラマ。よく一歳下の従兄弟と鞍馬天狗ごっこをしたものだ。配役は近藤勇が嵯川哲朗、黒姫の吉兵衛が露口茂。最近知ったのだが、杉作が坂東八十助。今の三津五郎丈。近藤サトの前夫。

 そのあとが80年ごろで草刈正雄。これはなんともミスキャストだった。近藤が財津一郎でキビシィィー演技を見せていたのはいいのだけど、土方が細川俊之草刈正雄細川俊之ですよ。なんかオミズっぽい対決だよね。杉作が伊藤つかさ。ぜったいトンボ返りなんかできない杉作だった。

 次が90年ごろで目黒祐樹。思い切ってB級に仕立てたのが好感が持てるシリーズだった。高橋悦史の近藤はやけに実直そうだったが、笑福亭笑瓶の吉兵衛の過剰な演技は面白かった。


  調べてみたらこのほかにも、竹脇無我中井貴一松平健なんかも演じているようだ。

 杉作の決定版はなんと言っても美空ひばり御大だろう。ぼくも断片的な映像でしか見たことがないが、ぷりぷりとはちきれんばかりの存在感を放っている。あとミネラル麦茶松島トモ子も演じている。

 でも、ぼくにとっての杉作は、杉作J太郎さんなんですだ。