林静一作品展「季節の移ろい」

今日初日、林静一作品展「季節の移ろい」(銀座・コンテンポラリーアートNIKI)に行ってきた。ご存知、現代美人画の第一人者の林さんが、春から冬までの季節の移ろいを美人画と花の絵で表現した企画だ。

日本画の画材で繊細に表現された美女たちに三方から見つめられると本当にドキドキしてしまう。

林さんの描く美女というと、美少女や都会で暮らす若い女性というイメージがあるが、今回の新作「薄暮」に描かれたのは、言ってみれば「婀娜な年増」。首のラインとクールな仕草の色っぽいこと。

いま「三方から見つめられると」と書いた。残りの「一方」は何か? それは奥さんの節子さんの染織作品だ。そう、今回はお二人のコラボレーション展なのだ。

 節子さんは草木で染め、自ら織り上げたでショール、マフラー、帯、袋物を出品されている。これがいいの、凄く。
 
 実は9月23日の日記にも書いた林あまりさんと遠野一実さんのコラボ展の時、あまりさんとも節子さんのマフラーの話をした。林静一さんと林あまりさんのダブル林で詩画集「ショートカット」を出版されたのが、たしか91年。その時にあまりさんが節子さんから記念にいただいたマフラーを10数年たった今も使っているとのことだった。いいものは一生モノだ。

 我が家のマフラーも全部節子さんの作品だ。軽くて暖かくてずっと使っても、何べん洗っても全然ヘタらない。

 今日もとてもいい色のマフラーがあった。モスグリーン地にダークグリーンとブラウンのストライプ。「見つけた!! これ俺の!!」と思ってラベルをみたら、残念、売約済み。女性の名前が書いてあった。まあ、マフラーも僕の太短い首にギリギリ巻きつくより、たおやかな女性の細い首にふんわり巻きついたほうが幸せだろう。

 お二人とも会場におられたので、ひさしぶりにお会いできた。静一さんとはお正月の嵐山光三郎氏主宰「銀座路地裏俳画展」以来。これがなんと、共に出品者という椿事。神をも畏れぬとはこのことである。節子さんとは去年の「家族展」以来。こちらは林夫妻に娘さん二人が加わったコラボだ。上の娘さんが9月30日の日記に書いた林るいさん。

1年おきに開かれて、我が家は毎回家族で押しかけては、大騒ぎして帰ってくる。林さんご一家は、みんな優しくて大人なのでついついいつも甘えてしまう。ご夫妻のファンのツマはこの週末は先約があって伺えないのを凄く悔しがっているようだ。

林静一作品展「季節の移ろい」(銀座・コンテンポラリーアートNIKI)
中央区銀座6-11-4   ニックス銀座ビル3F
10月21日まで。11時から19時まで。最終日は15時まで