ほんやらなまず句会10月例会 2

引き続きまして、朋輩たちの佳句・秀句を一気にご紹介。


      栗載せしケーキに定年祝いけり     敬記


      書き留めて置きし日の過ぎ秋彼岸   敬記


      どんぐりや小さき靴と干されけり      敬記


      一房のぶどうの重く一途なり        章


      世の深さ探りて歩く月明り         章


      秋灯や長そでシャツのしわ照らし      なほ子  


      クロールの水の中の時外の時        なほ子


      筋雲や何万年の鳥の道           ユキエ


      考える猫は動じず時の鐘          ユキエ


      直立の菊も昭和という時代         ユキエ


      法事終え子はばらばらに赤蜻蛉      ユキエ


      侘び住居秋の祭りの笛遠く         トシオ


      時雨来て木の實降る降る夕かな      トシオ


      妻そっと唇あてる温め酒           トシオ 


      落日や秘密基地までのぼり坂        マスオ


      月曜日冷たく重い梨を向く          マスオ


      団栗やポトンと落ちてトタン屋根       マスオ


      木の葉散り初めてより往時ふり返る      二庵


      肌に紅葉燃えし日のあり時の時        二庵