引き続きまして、朋輩たちの佳句・秀句を一気にご紹介。
栗載せしケーキに定年祝いけり 敬記
書き留めて置きし日の過ぎ秋彼岸 敬記
どんぐりや小さき靴と干されけり 敬記
一房のぶどうの重く一途なり 章
世の深さ探りて歩く月明り 章
秋灯や長そでシャツのしわ照らし なほ子
クロールの水の中の時外の時 なほ子
筋雲や何万年の鳥の道 ユキエ
考える猫は動じず時の鐘 ユキエ
直立の菊も昭和という時代 ユキエ
法事終え子はばらばらに赤蜻蛉 ユキエ
侘び住居秋の祭りの笛遠く トシオ
時雨来て木の實降る降る夕かな トシオ
妻そっと唇あてる温め酒 トシオ
落日や秘密基地までのぼり坂 マスオ
月曜日冷たく重い梨を向く マスオ
団栗やポトンと落ちてトタン屋根 マスオ
木の葉散り初めてより往時ふり返る 二庵
肌に紅葉燃えし日のあり時の時 二庵