ブレイクなるか? 山下容莉枝嬢

 この土日は若干疲れ気味でテレビばかり見ていた。今日も渋谷まで「ジョゼと虎と魚たち」を見に行こうと思っていたんだけど疲れが残っていたのでやめた。いつまでやってるんだろうな、見に行けるだろうか。そんなダメな2日間だった。

  でも収穫はあったぞ。
  昨晩見た、土曜ワイド劇場「火災調査官・紅蓮次郎3 水が燃えるトリック 密室出火の謎!」に、主人公の息子のガールフレンド母親役で出演の山下容莉枝という女優さん。長身の美人だ。皆さんはご存知だろうか。

  実に面白い役者さんだったなぁ。最初は誤解から主人公宅に怒鳴り込んでくるんだけど、誤解が解けてからは、メロメロに惚れちゃって付きまとってくる女性の役。そんな浮ついた軽薄なキャラ。本筋の殺人事件とは絡まないんだけど、焼死体だらけのドラマが陰惨な雰囲気にならなかったのは彼女の功績だと思う。

  ネットで調べてみると文学座研修生を経て夢の遊眠社の出身。年度から見ると、文学座のほうでは、僕の中学の同級生で現在「地人会」で演出助手をしている浅沼一彦とほぼ同時期。遊眠社の方は小学校のときの演劇部で一緒だった、現在・フリーの金子真美とほぼ同時期。蜘蛛の糸よりさらに細い、かすかなご縁があるようだ。
 
  さらに僕が今までに見た映画やドラマにも結構出演している。伊丹監督の「マルサの女」のエンディングを強く印象づけた、中年男にホテルに連れ込まれる美少女の役もこの人だった。最近では「わたおに」にもでているようだ。
  
  つまり実力派の堅実な脇役さんなのだろう。

  
  でもなんか突然ブレイクしそうな気もするなあ。

  いや、結構僕は当てるんすよ。中村玉緒は普通に女優をやってたときから「この人絶対変、おもしろい」と思っていたし、乙竹洋匡や大平光代もブレイク本の出版前に新聞記事やテレビで存在を知って、「この人すごい」と思って、知り合いの編集者に電話で「押さえとけ」と言ったくらい(あまり説得力がなかったようで、その人が大魚を手にすることはもちろんなかった)。

  別に僕が特殊な能力があるとか感性があるとか言ってるのではない。「ブレイクする」というのは、広く大衆が消費するということだからね。ブレイクを予言できたということは、僕が「広く大衆が好むもの」を好むということ。つまり僕がピュアにディープに大衆だということの証左だ(このへんのことは以前、漫画家の柴門ふみさんが書いておられた)。「世界の中心で〜」も大変面白く読ませていただいた。


 本の話と役者さんの話をない交ぜにして申し訳ない。でも山下容莉枝さんが突然ブレイクすることがあるような気がしてならないのだ。