そういうわけで句会が始まった。
句会の季題は「蛙」。作品はあらかじめ幹事のシュウさんのところにそれぞれ無記名で送ってあり、すでに集計されて印刷物になっている(もちろん無記名で)。
はじめに嵐山先生から、
「作品を見せていただきましたが、“季重なり(ひとつの句に複数の季語)”などのルール違反も多く、皆さんが初心者であることはよくわかりました(場内笑)。これから皆さんにそれぞれ選句をしていただきますが、作品を見せていただいた感じでは選句力も多分ないと思いますから、多分大してよくない作品が選ばれると思いますが(場内爆笑)、細かいことにこだわらず楽しくやりましょう」
と挨拶があった。
それでも、結構いい作品もあったと思う。「天」をとった
「田の面(も)減り 蛙(かわず)の声も 力なし」
なんかなかなかいい。
選句方法は、順番にそれぞれがいいと思った作品をあげ、その点数の集計で一番多かった作品が「天」。続いて「地」「人」。作品は無記名だから誰の句かは集計するまでわからない。
ちなみに僕が一番に推したのは、ダントツに巧いと思った、
「雨蛙 跳ねて命の 軽さかな」
嵐山先生も、
「巧いね。巧すぎて嫌味なくらいです」
と講評。「どなたの句でしょう」と蓋を開けたら、マスオさんの作品だった。もちろん嵐山先生もマスオさんが名乗るまで誰の作品かは知らない。でもやっぱりブラインドで見ても、やっぱり頭ひとつ飛び出してしまうんだなぁ。
そしてそのマスオさんが推したのが、
「諍いの 風を鎮めて 遠蛙」
これもうまいなあ。嵐山先生も、
「ああ、これは相当やっている人の句ですね。深みもありますし技巧も効いてます。どなたでしょう?」
・・・・・・実は僕の作品である。ははははは、ほんの自慢話です(笑)。
まあ、そんなこんなで無事、和やかに終了した。途中、僕の集計間違いで小沢潔元国務大臣の得票を少なく計算してしまい、顰蹙を買う場面もあったが。
句会終了後は懇親会。嵐山先生とセットで上座が用意されていて緊張しまくり。小沢氏と向かい合わせでお酒を飲む事態となってしまった。
解散後は、マスオさん、頑亭先生、敏先生と谷保の「文蔵」。「居酒屋兆治」のモデルとなった“いつもの”店だ。ようやくリラックスして一杯。
「ああ、こっちのほうがいいや」
と手足を伸ばした。
あ、そうそう、先日の「富士見湯」の烙印である。何か僕からも賞品を用意するようにとの指示があったので用意したのがこれ。
ヒノキの手桶に「富士見湯」の焼印。それだけでは寂しいので中に入浴剤。
ちなみに「富士見湯賞」受賞作品は、「ぎはん」さんの
「かえるさんちょっと聞いてよこのはなし」