「にいだんご」と獅子舞

富士見台団地の中にある「たまご広場」で催された「獅子舞鑑賞の会」に行ってきた。

  谷保天満宮の獅子舞は、なんでも村上天皇の御代まで遡れる伝統あるものだそうである。

  それとともにいろいろと出店も出ていた。ヤキソバやフランクフルトなど手作りの模擬店とフリーマーケットだ。

  そして今回の出店の目玉は谷保の郷土料理「にいだんご」である。これは壇ノ浦で九死に一生を得た「二位の尼」こと平清盛の妻・時子が谷保に流れてきたという伝説に・・・・というのは真っ赤な嘘で、「煮団子」が訛ったもの。つまりは「すいとん」である。

これはかなり美味かったなぁ。100円は安すぎたくらいだ。おかわりしようかと思ったら完売していた。


さて、獅子舞は25日の例大祭のリハーサルを公開するというかたちだ。ゲネプロだね。

のんびりしていて楽しかったな。1頭の雌獅子と二頭の牡獅子の恋の鞘当に、裁き役の天狗と道化方のヒョットコが絡むというのが粗筋らしい。BGMにお囃子とともに谷保の旦那衆によって歌われる「ご詠歌」みたいなのが哀愁を帯びてすごくいい。


今回のイベント、市内のNPO団体が力を出し合って実現に至ったそうだ。

そのNPOのひとつ「i−CAN」のメルマガによると、かつて獅子舞の保存に山口瞳先生や頑亭先生が尽力したことがあったそうだ。いいお話なので引用を許されたい。

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 「消えゆく郷土芸能を守ろう」と作家・山口瞳さん、放送作家・原田重久さん、彫刻家・関保寿さんの三人が、<文芸三人色紙展>を開き、利益を獅子舞保存会に寄付しました。これはこの年から市の谷保の獅子舞への補助金が打ち切られたからです。山口瞳さんは当時、こう語っていました。「私は国立に住んで7年になり、獅子舞が好きで、年に一度の谷保天満宮の大祭を楽しみにしている。補助金カットのくわしい事情は知らないが、こういうことで獅子舞の保存ができなくなっては残念なので、原田さんたちの趣旨に賛成、色紙展に協力しました」
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原典は1970年の毎日新聞らしい。


国立というと国立駅周辺のオサレ系なお店ばかりが注目されるのだけど、こういう文化があることも誇っていいと思う。