行きつけの店

  もう20年、同じ駅から同じ駅まで、つまり国立から神楽坂までを通っていると各駅に「行きつけの店」ができるようになる。

  飲み屋さんは知らない。各駅に行きつけがあるのは、まず本屋さんね。これは中央線は強い。それぞれ強み弱みはあるけれど、だいたいのものが揃う。

  それからゲーセンね。最近はやらないけど若い頃はよく行ったなぁ。

  「ゲームばっかりやってるとバカになるぞ!!」

  なんて子どものこと言えないね。


  あと、床屋さん。理髪店ね。これも全駅制覇に近づいてる。

  なにしろボーズなんで行く頻度が高いのね。


  今日行ったのは初めての店。某駅裏の「バーバー ハイ・カット」。

  なにしろ「ハイ・カット」である。助監督みたいな店名である。

  
  店に入ったら、待合ベンチに3人も人が待ってて雑誌を読んでいたので、

  「あちゃー、ずいぶん待つかな」

  と思ったら、全員理容師さんで、お茶を挽いている所だった。


  無口な理容師さんで助かった。会社帰りはテンション下がっているので、理容師さんやタクシーの運転手さんは無口に限る。

  僕には知らない人としゃべるとつい無意識にヨイショしちゃう性癖があって(「いやぁ、大変なお仕事っすよねぇ」とか)、別れてから一人になるとドッと疲れる。だから理容師さんやタクシーの運転手さんは無口な人に限るのだ。