エグザイルのこと。

夕刊大衆紙の「夕刊フジ」によると「エグザイル」が大変なことになっているそうである。要はメンバー倍増への批判でブログが炎上したとか。大変である。


僕は「エグザイル」には特別に深い思いがある。約12年前のことだ。当時、僕は仕事で大阪への出張を繰り返していた。ある夜のこと、梅田の地下街の阪神百貨店の前を通り過ぎたとき、その出会いがあった。

その頃、梅田の地下街は夜9時に各デパートのシャッターが下りたあとは無法地帯で、腕自慢のストリート・ミュージシャンたちが鎬を削っていた。その中のひとつがエグザイルだった。他のグループとはまるでレベルが違っていた。一発で痺れた僕は迷わずCDを買い、最後までそのステージ(地下街)を堪能した。

大阪に出張に行くたび聴きに行っていたので、リーダーはじめメンバーとも顔なじみになり、メールの交換などするようにもなった。ホームページにももちろん出入りするようになった。

そのうちにホームページに異変が起きた。闖入者が増えたのだ。何故かなんかわけのわからないことを書き連ねる輩が大量発生して荒れ果てたのだ。そしてトップページにリーダーのメッセージが表示された。

「このHPのグループは若手ダンスユニットのエグザイルとは別物なのでお間違いのないように」

つまり僕が追っかけていたのは、今お騒がせのエグザイルではなく、実はその前から存在していた「元祖」のエグザイルだったのですね。おかしいと思ったでしょ。

それはともかく、もちろんそのメッセージでも騒ぎは収まらず、「後発の」エグザイルの人気は増すばかり。とうとう「元祖」の方が「オーサカ・イグザイル」と改名する事態となった。


ティン・ホイッスル(笛)とアコーディオンとギターという3人編成。ジャンルとしては「ミュゼット」。「ミュゼット」をご存知だろうか。音楽や詩の神・「ミューズ」と同じ語源を持つ、フランスの大衆音楽の総称である。インストのシャンソンみたいな感じかな。「オーサカ・イグザイル」が演奏を始めると阪神デパート前が、たちまちパリの街角のように感じられたのだった(行った事無いけど)。

その後、「オーサカ・イグザイル」は解散。アコーディオン長坂憲道さんはソロとなり、ティンホイッスル(&バグパイプ)の金子鉄心さんとギターの岡部わたるさんは新たなアコーディオン奏者を迎えて「鞴座(ふいござ)」を結成されて、ともに活躍中だ。

みなさん関西が本拠で、僕も出張族じゃなくなってしまったので、全然聞く機会は無いのだけど、リーダーの金子さんは未だにメールニュースを送ってくれている。たまには聴きに行きたいなぁと思うのである。

もう聴けなくなってしまった「オーサカ・イグザイル」なんだけど、元・メンバーの現在の演奏はユーチューブで見られる。ご興味のある方はクリックしてみてください。

長坂憲道さんのアコーディオン

金子鉄心(バグパイプ)と岡部わたるさん(ギター)の「鞴座」
 


下の画像は大阪の地下街で買ったエグザイルのファースト・アルバム「エグザイル」。今、これを聞きながら書いている。