なんで入選したんだか・・・・

まあそうは言ってもまだ僕には及ばない。

長女・花子(仮名・中3)は「北多摩で入選」だったけど、僕は「東京都で入選」のだ。

小学校2年生のときのことである。学校に消防車が来て(火事ではない。モデルとして)、消防車の写生大会が開かれたことがあった。

そして全校児童の作品から図工の先生が「我が校の代表作品」を選んで「小学生の消防絵画展東京大会」に出品するという段取りだった(今なら「小坊の消防展」か)。その低学年代表に選ばれたのが僕の作品だったのだ。

おどろいたのが担任の先生だ。その先生は僕のことを嫌っていたので「なんでこれが選ばれたのかわからない」と何度もしつこく言っていた。失敬な奴だった。

東京都の大会は、渋谷の都立児童会館で開催された。僕はもちろん家族で見に行った。当時まだ独身だった叔父も、その後僕の叔母となる美人のガールフレンドを連れて見に来てくれた。

作品は入選して赤い花がついていた。どんなもんだい。凡俗なる担任教師にはわからなくても専門家にはちゃんとわかるのである。そういうわけで大いに溜飲を下げたものである。


数年前、実家が引っ越したとき、納戸の隅からこのときの消防車の絵が出てきた。おお懐かしい。数十年ぶりに広げて見てみた。思わず呟いたね、

「なんでこれが選ばれたのかわからない」

担任のI先生、あんたは正しいわ。俺もよくわからなかったよ、うん。悪く言ってすまんかったすね。