続々・甲州街道徒歩(かち)紀行 ? 〜水鳥と遊ぶ〜

・・・・・・・・・・・・3月27日の旅日記の②・・・・・・・・・・・・

日本橋の車道の真中に埋め込まれている道路原標のプレートを交代でトンッと踏んで、僕たちの小旅行は始まった。まずは日本橋交差点まで歩き、そこを右折して東京駅のガードを目指す。

まず朝飯だ。朝4時に起きて着替えてすぐに飛び出してきたので食べていない。なにを食べたいか次男・三吉(仮名・小6)に問うと、お腹が空いたのでとにかく早く食べたいとのこと。

そこで24時間営業の店へ。コンビニで何か買って公園で、というのがもっとも好ましいのだけどさすがにまだ寒い。結局、ガードをくぐり、東京駅丸の内口高架下の「なか卯」へ。僕が「はいからうどん」で三吉は「牛丼」。

からだも温まっていざ出発。名だたる巨大企業のオフィスビルの摩天楼を見上げながら進む。大手町交差点を左折。荘重なる「銀行倶楽部」の前を通過。ずっと以前にここの最上階のホールでのパーティーに代理出席したことがあった。皇居を見下ろすパーティーだった。


お濠沿いの道を進む。和田倉濠を過ぎて馬場先濠。何故かここだけ水鳥がたくさんいる。白鳥や、名前がわからない黒い鴨。三吉が水面を覗き込んでいたら、その「黒鴨」たちがなぜか集まってきた。

もしやと思った三吉が、非常食としてバッグの中に忍ばせておいた柿ピーをひとかけら投げ込むと先を争って食べた。

やっぱりと思ってまた投げ込むとまた食らいつく。続いて投げ込むと続いて食らいつく。春は名のみでまだ餌が少ないシーズンだ。

禽獣の類とは言え皇居の濠の住民だ。言ってみれば宮内庁の管轄。やたらな食い物も与えてはいけないのかも知れんが、日本を代表するあられメーカーのものだから大丈夫です。それにこんなに喜んでもらってるし。

かわいそうなのが白鳥で、大きい分だけ動きが鈍く、目の前に落としても動きの速い鴨たちに掻っ攫われてしまう。白鳥にあげようと、陽動作戦で遠くに投げて黒鴨たちの注目を遠くにひきつけてから白鳥の目の前に投げる。よし、取った。よくできた!!

とこのようにむきになって白鳥を狙ううちに、濠中から水鳥が集まってきた。三吉の投げる柿ピーの放物線を追い始めた。

可愛いものである。しかし・・・。急ぐ旅ではないが、国道20号線にすら入っていないのにいつまでも内濠で遊んでもいられない。

先に進むと水鳥たちもついてくる。上空からはユリカモメや雀までやってきて、その上空ではカラスも旋回している。

ちょっと気味が悪くなりかけた頃ちょうど柿ピーも底をついて、馬場先濠に別れを告げた。餌が無いとわかったとたん、水鳥たちもサァーッと散開していく。現金である。


不思議なのことに道路を挟んだ隣の日比谷濠には水鳥の群れは無く、白鳥が一羽いるだけだった。やはり縄張りとかあるのだろうか。

帝劇を横目で見ながら先に進む。そういえば、帝劇って一度も行ったことが無い。



    ☆いまのところ日本橋から1.9キロメートル☆


−−−−つづく−−−−−−