瀋陽、右往左往(3) いろいろ筒抜け

・・・・5月2日の日記<3>・・・

そんなわけで入国審査で大変に手間取ってしまい一番最後になって、預けていたトランクも一人淋しくコンベヤを回り続けていて、係の人が持ってきてくれた。


ゲートを出たら遼寧和平国際旅行社の張さんが出迎えてくれた。僕たちの他のツアー客は中年のご夫婦が一組だけ。集合したのでまずはリコンファーム。張さんに連れられて、僕とご夫婦の奥さんで2階の中国南方航空カウンターへ。ご主人と三吉は1階で荷物番。


リコンファームは簡単であっという間に終わり、下に下りるとご主人と三吉はすっかり打ち解けている。


遼寧和平国際旅行社差し回しのワゴン車で市内に向かう。このツアー、往復の飛行機とホテルだけがついているフリー・ツアーだ。


同行のご夫婦はTさんという静岡の方で、実に快活で感じのいい人だった。ホテルまでの40分間は雑談して過ごした。お互いに「なぜ瀋陽に来たか?」などを話し合ったら、ほぼ共通の答えで、

瀋陽ツアーは、GWでも何故かあまり価格が上がらない

       と

・以前、GWに北京(僕は上海)に行って、その混雑と人民パワーに圧倒された

だった。


ご主人がニコニコしながら、「夏には徒歩で大月まで言ったんですって? すごいですねぇ」


え? なんでそれを?


「さっき坊やからお聞きしました」


そんなことを話しているのか?!


「入国審査たいへんでしたねぇ。何キロぐらい痩せられたんですか?」


そ、そこまで話しているのか、あのリコンファームのわずかな時間に!!



そうだ、わずかな時間といえばこちらもそうだった。わずかな時間に張さんを質問攻めにする。市内の見どころ、食べどころ、タクシー事情、等等。


北京や上海と違ってここ瀋陽は観光地としては地味で、日本国内にはほとんど情報がないのだ。『地球の歩き方』ですら、瀋陽には地図を含めて30頁しか割いていない。しかもそのうち10ページはホテルガイドだ。


僕が聞きたかったのは、日本国内でいくら調べてもわからなかったことだ。それを満を持して現地の観光ガイドの張さんに聞いてみた。それは、



「パシナはどうなってますか?」 


だった。

 

                 <つづく>

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