瀋陽、右往左往(5) 続・幻のパシナ

・・・・・・・・5月2日の日記<5>・・・・・・・

出発前のインターネットでの調査で、その「開かずの博物館」が瀋陽の「鉄西森林公園」にあることまではわかった。でもその「鉄西森林公園」なるものがどこにあるかはわからないのだ。「森林公園」というくらいだから相当の郊外か。

地球の歩き方』の見開き2頁の瀋陽の地図のどこを見ても無い。この地図の範囲外か。

さらにインターネットでの調査を進めるうちに、その「鉄西森林公園」内の「蒸気機関車博物館」に行って、やっぱり開いてなくて、そとからガラス越しに機関車を見学した旅行者のリポートが見つかった。そのリポートにある町名を地図上で追っていくと、「黄金餅」のような気分にもなってくるんだけど、市内の西郊の方に向かっていった様子だ。

んん? 地図の左端、つまり西の方、市の中心から6、7キロほどのところに「于洪苗圃」ってところがあるぞ。ここが怪しいなぁ。だって、苗圃ってことは、苗が成長したら森林になるものなぁ、って随分気の長い話だが。

それと、開いてなくても「ガラス越しに」なら見られるんだなぁ。それでもいいかなぁ。


と、ここまでが、日本国内での調査である。


空港からホテルまでのわずかな時間、せっかく現地の観光ガイド・張さんと一緒なので、尋ねたみた。

「パシナはどうなってますか? 蒸気機関車博物館は開きましたか?」

張さんはちょっと困ったような顔をして言った。

あじあ号ですか・・・・?」


結論から言うと開いていないそうである。周期的にオープンの噂が流れるんだけどすべてガセで、今回のゴールデンウィーク(中国もゴールデンウィーク)で開くという噂が実しやかに流れたのだけど、昨日(5月1日)問い合わせたが開いてなかったのこと。

そうか、やっぱりダメかー。なぜなんだー???

理由を聞いても張さんは困った顔をして微笑むのみである。


でもささやかな収穫はあった。『地球の歩き方』の地図の左隅の「干洪苗圃」っていうのが、現在の「鉄西森林公園」だそうである。

なるほど、苗は成長したんだなぁ。よかったよかった。

などと喜んでいる間にワゴン車は市内に入った。まずホリデイ・インでTさん夫妻が下りて、僕たちは隣のホテルにチェック・イン。

「インターコンチネンタル瀋陽」。ここが今回の僕たちのベースキャンプだ。

うーーん、ちょっと無理したかなぁ。

★★★★★


      <つづく>