瀋陽、右往左往 28年前のフラッシュバック

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・・・・・5月4日(3日目)の旅日記<7>・・・・・・

 とりあえず、未練たらしく「蒸気機関車博物館」のまわりをウロウロしていたのである。僕はチェ・ホンマンでもラジャ・ライオンでもないので中は見えないのだけどね。

おや?

右のほうに曲がりこんだら、裏口へのアプローチがあったぞ。でも正面以上に「手入れの無い感」が横溢していて、錆びた自転車とかリヤカーとかセメントの袋とかが放置されていた。


その、突き当たりに入口があった。鉄の扉が開け放たれている。人はいないが、なんとなく人の気配はある。


さあ、どうしょう。


甲案 「たのもう!!」と、堂々と名乗って見学を懇願するか・・・。

乙案 こっそりと侵入して、知らん顔して見学するか・・・・。


そのとき、僕の脳内にフラッシュバックがおきた・・・・。

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そう、思えば28年前にもこんなことがあった。

友人たちと4人連れで京都に行った。某座での歌舞伎の顔見世興行を見に行ったのだ。思いつきで行ったものだからチケットの予約などしていない。劇場の窓口に行ったら案の定売切れだった。

やれやれ残念だったね。でも、せっかく京都まで来たのだから・・・。

「せっかく京都まで来たのだから寺社巡りでもして帰ろうか」などと僕は思った。


でも、同行者たちはそうは思わなかったのである。

「せっかく京都まで来たのに見ないで帰れるものか」と思ったのである。


もう30年近く前の旧悪だから書いちゃうけど、裏口からスタッフを装って入ったのである。

それでこそこそ空席でも探して見るのなら可愛いのだけど、「桟敷席」で見たのである。桟敷席なんてのは大抵企業が接待用に押さえるから空いてる時は空いているんだ、などと若い癖に妙な世間知のあるメンバーもいたのである。

演目はなんだったかな。現・坂田藤十郎、当時・中村扇雀の「沼津」だったかな。

でも、小心な僕などはドキドキで芝居も見たようじゃなかったなぁ。こうしてキーを打ちながらもドキドキがよみがえっちゃうもの。
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そういうわけで、裏口からこっそりはやめよう。自分の心に傷をつけるし、下手をすると逮捕されちゃう。第一子ども連れで不法行為が出来るわけ無いじゃん。

よし、正面から堂々と、ってここは裏口。


もとい、裏口から堂々と行くことにした。奥に向って大声で呼ばわった。


たのもぉっ!!



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