高架遺跡

降嫁となった、じゃないよ。和宮じゃあるまいし。

高架となった中央線。武蔵小金井、東小金井、武蔵境の3兄弟駅も上空はるかなホームになった。

きれいで清潔でシンプルだが、どこにでもあるような駅になった。


「ずいぶん、変ったのねー」


とツレ。でもそれに続いて、


「前って、どんなだったっけ?」


嗚呼、なんたる薄情な。サルモネラは火に弱し、じゃなくて、去るものは日々に疎し。


そこで、僕は携帯電話を取り出しツレに見せた。解体されつつある3兄弟駅の旧ホームの写真である。一月に撮影した。


まずは武蔵小金井

ホームに山済みされた鉄材が泣かせる。

続いて東小金井。

うーーむ。地味である。

そして武蔵境。

新ホームの尻にしかれるような状態で解体を待っている。


な?泣かせるだろ? この高架遺跡たちの姿は。


「ふーん」


予想通り、興味はなさそうだった。






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