夏の浪速の芸尽くし(5) 大阪歴史博物館「華やぎの装い 鴻池コレクション展」

〔8月7日の日記 その1〕
7時半起床。義妹のママチャリに乗って住之江駅前のパン屋「パリーネ」へ。義妹お勧めのパン屋で朝6時半から営業している。朝食に焼きたてのパンがいただける。国立のへんにはない文化で、わくわくする。

大画面で「ゲ」を観ながら朝食。うまい。コーヒーはインスタントながらリッチな気分。


今日は「大阪歴史博物館」へ行く。目当ては「華やぎの装い 鴻池コレクション展」。これも「夏の浪速の芸尽くし」の一環である。


鉢植えに水をやっていた隣のおばちゃんと立ち話をした後、至近の「我孫子道」から阪堺電車に乗る。いわゆる「チンチン電車」で地元の人は「チンデン」と呼ぶ。

そのチンデンで「阿倍野」まで行き、地下鉄・谷町線に乗る。相撲のスポンサーを表す「タニマチ」と言う言葉の元になった大旦那がこの界隈に住んでいたというが詳しいことは知らない。


谷町四丁目」、いわゆる「タニヨン」の駅から地上に出たところに「大阪歴史博物館」は聳え立っている。


おっ、携帯で撮ったとは思えないほどカッコイイ写真。

それにしても暑い。セミがうるさい。立ち木に幹にほぼ30センチおきにとまっている。凄い密集。

揃いの浴衣の係員さんからチケットを買い、エレベーターで最上階へ。常設展から見る。古代から近世・近現代と時代が降りるにしたがって、エレベーターで階層を降りていく。最上階からは史跡「難波宮」や大阪城が間近に観られる。博物館で学んだものの現物が窓から見られるというのはなかなかいい趣向だ。


館内は空いている。客のほとんどは中国からの観光客。若い人が多い。展示内容は東京の両国の「江戸博」をひとまわり小ぶりにした感じ。でもフラッシュさえ使わなければ、ほとんど写真とり放題なのが豪気でいい。


個人的には近世の水の都としての発展の記録と近代の「大大阪時代」のコーナーが面白かったな。

近世では文楽人形が案内役で、声の出演が上方歌舞伎の花形・片岡愛之助丈(ごひいき)。近代では、エンタツアチャコ春団治のフィルムなんかも観られたし。

戦前の生活の展示で書見をするご隠居の人形。

と思ったら、義太夫のお稽古をしていたよ。


常設展のあとは特別展の「華やぎの装い 鴻池コレクション展」へ。

鴻池というのは大阪におけるお金持ちの象徴だ。現在の三菱東京UFJ銀行を遡ると、三和銀行を経て鴻池財閥にいきつく。落語のほうでも「鴻池の犬」「はてなの茶碗」に登場する。

その鴻池家のコレクションの数々の特別展示だ。豪華な着物や漆器などもたしかに凄いのだけど、ぼくのお目当ては義太夫だ。


当主が義太夫道楽で、太夫、三味線を呼んで、オリジナルのレコードを作っていたと言うのだ。しかもそれを売り出すためではなく、自分が聴くためだけに。豪気だなあ。


その一部が聴かれると言うもの。忠臣蔵、卅三間堂棟由来などそれぞれ3分ぐらいで音質ももちろん悪いけど、自分だけのためにこういうものを作る道楽ぶりが感動的だった。



などとのんびりじっくり見ていたら・・・。いかんっ!! 待ち合わせの時間が迫っていた!!

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