あと何回の晩飯(病院食)?


最近、「あと何回の晩飯(病院食)?」と思うようになった。

退院日の目処がついてきたから、というだけではない。


聖蹟桜ヶ丘に行ったからである。


あ、今日は自慢話である。あらかじめ申し上げておく。


聖蹟桜ヶ丘にはいくつか都市伝説がある。それは聖蹟桜ヶ丘京王電鉄沿線において、都心からの遠距離にも関わらず、稀有な発展を遂げている理由についてである。


まずは風水からの観点である。東京魔法陣でみてこの土地は非常に「吉」だと言う。明治天皇がたびたび行幸されたのもそれが(風水)が理由だという。そっち方面が暗い僕にはよくわからない。



次は、この地に京王電鉄の社長が住んでいるからというもの。そのため優先的に開発し、本社もこの町に移したというのだ。

個人商店じゃあるまいし、そんなことはない。ただある時期の社長が住んでいたのはたしかで、つまり社として、本社のあるこの町の分譲に失敗するわけにいけないので、役員が率先して買ったという。会社勤めの経験のあるかたなら「なるほど」とうなづいてくれるだろう。


そうなると、つまり役員が率先して買ったとなると、開発、誘致も失敗できない。他の地域にも増して、デベロップメントに力も入ろうていうものである。会社勤めの経験のあるかたなら「な〜〜るほど」と深くうなづいてくれるだろう。



僕が「ある時期の社長が住んでいたのはたしか」と断言するには理由がある(この辺から自慢話である。あらかじめ申し上げておく)。


住宅地図を広げて、「ほら、その大きな区画が京王の社長の◎◎さんのうちだ」と教えてくれた方があったのだ(すでに自慢話に入っていることを申し上げておく)。


故・山田風太郎先生である。前々職時代、インタビューに聖蹟桜ヶ丘の丘の上のご自宅を訪ねたのだ。1995年頃だったと思う。


帰りは奥さまが運転する車で聖蹟桜ヶ丘の駅まで送っていただいた。



退院日の目処がたち、聖蹟桜ヶ丘に来て山田風太郎先生を想い出したら、当然、「あと何回の晩飯か?」って思うでしょう?


そして今日の晩飯、「鱈のちり風煮」。


旬である。鱈は冬の季語。


旨かった。それにヘルシーだしね。



<こしおれ>

「あと何回?」指をり数えつ鱈を喰ふ