ラフォーレのはずが鈴本演芸場に

シュルレアリスム展―パリ、ポンピドゥセンター所蔵作品による― 」が面白かったので、今年のゴールデンウィークのテーマは「アート鑑賞」と決めた。


半年ものロングバケーションを楽しんでいまさらゴールデン・ウィークもないものだけど、世間は「Golden Week」、でも僕は「Golden Weak」。ま、いいしゃないですか。


ところが午前中、脳梗塞に伴う視覚障害の診察で病院に行ったらやけに疲れてしまった。昼食後、昼寝。昼寝というより瞳孔を拡げる点眼薬が効いて眩しくて目を開けていられなかったのだ。


薬の効き目が切れてPCを点けたら、漫画家のまどの一哉さんがツイッター


「急遽ヘンリー・ダーガーつげ忠男を見に行くことにした。」と呟いている。


僕も行こう。こうしちゃいられない、おおそうじゃ。


「じゃ、僕も。ビリケンさんでお会いしましょう。」


とコメントして家を飛び出した。



ヘンリー・ダーガー展」は原宿のラフォーレで、「つげ忠男展」は南青山のビリケンギャラリーで開催されている。これは「一筆書き」コースだ。


中央線を新宿で降りて山手線に乗り換えた。これで原宿で降りればラフォーレはすぐだな。そのあとは明治通りを渋谷まで歩いて、渋谷から宮益坂を登りきって骨董通りに入ればビリケンさんだ。そうだ明治通りではついでに「UTショップ(ユニクロのTシャツ専門店)」に行こう。原宿と渋谷の中間地点辺りにあったはず。



電車が原宿に着いた。さて降りるかと下界を見下ろすと竹下通りは凄い混雑。ゴールデンウィークのここは東京の一大観光地だ。こんなところに僕がおりたら、それこそ 「Golden Weak」だ ( うまい!!)。



急遽、下車を取りやめ渋谷まで行った。「ヘンリー・ダーガー展」は諦め。僕は昔から諦めがいい。もうちょっと粘り強ければもうちょっと出世している。



そうして渋谷で降りたものの、ついでのはずの「UTショップ」に未練が残る。


いえね、欲しいTシャツがあるのよ。ずっと探してる。この春の新作。中野、吉祥寺、武蔵境、立川、八王子、府中、と行く先々のユニクロで探したのだけど見つからない。こうなったらTシャツ専門のメガショップ「UTショップ」に行くしかない。


僕は昔から諦めが悪い。その粘り強さでここまできた。


渋谷から明治通りをテクテク原宿方向に歩いたところにある「UTショップ」。思いのほか遠い。果たしてそこに件のTシャツはあった。



企業コラボシリーズの「鈴本演芸場」。フロントに「鈴本演芸場」の幟と狛犬



バックに描かれた提灯に「落語」「講談」「漫才」「曲芸」など橘右橘師による寄席文字のロゴ。ちなみに右橘師は鈴本の看板をすべて手がけておられる方」。



超カッコイイでしょ。



カラーはネイビーブルー。ネイビーブルーのTシャツは年下の男の子の必携アイテムだ。


このTシャツがなかなか見つからなかったのだ。中野、吉祥寺、武蔵境、立川、八王子、府中で見たけどなかったのはさっき書いた通り。


いや、あるにはあるのだけどサイズ違い。S、M、Lはどこの店でもあるのだけどXLがなかったのだ。


え? XLはお前には大きすぎるだろうって?


むろん、僕のじゃない。長男・虎太郎(仮名・21歳)に買って帰ったのだ。



だって「落語」「講談」「漫才」「曲芸」の提灯のTシャツ。自分で着るのはちょっと恥ずかしいじゃないですか。



やっと買えたぜと満足して「UTショップ」を出た僕の右前方にはラフォーレが聳え立っていた。あ、もうほとんど原宿に近いんだね、「UTショップ」は。ほぼ一駅分歩いちゃったのか。さ、渋谷に戻ろう。


そうこの時点ではヘンリー・ダーガーのことはほぼ100パーセント忘れていたのだ。<今日の一句>


往く春に 寄席の灯(あかり)を 探しけり