平和祈念展示資料館 〜「上の空」で上の空


「気楽な商談」でツレと西新宿の副都心へ。超高層ビルが林立。5階建てのビルを見上げても眩暈のする(誇張ではない)の僕としてはハラハラの道中である。
なるべく上を見上げないように。


ちょうどお昼時だったので、31階建ての「新宿エルタワー」で食事。上の方は高いので(価格帯が)、地下二階の「ねぎし」へ。


僕は赤タンの「がんこちゃん定食」。谷啓の歌声が聞こえてきそうである。


ツレはカルビ焼肉の「ブラッキー定食」。中堅のポケットモンスターと同名である。また「タイムボカン」とか「ヤッターマン」で聞いたような名前でもある。それは「ボヤッキー」。声は八奈見乗児。実写では生瀬勝久(旧名・槍魔栗三助=やりまくりさんすけ)。



「気楽な商談」のアポイントメントにはまだ間があったので「住友ビル」48階の「平和祈念展示資料館」へ。ここは先の大戦が残した悲劇や労苦の歴史を後世に伝えるために、体験者の証言や関連する資料などを収集し、展示している施設だ。以前から水木しげる先生がイラストを書いた電車の中のポスター等で存在は知っていたのだけど来る機会がなかった。


実物資料やジオラマがさすがの迫力。大戦初期の戦闘服と末期のそれが展示してあるのだが、生地や縫製の質の違いが歴然。いかに疲弊していたのかが良くわかる。


受付で鬼太郎の携帯クリーナーストラップをいただいた。



そしてアンケートに答えたら一冊の本をいただいた。「遥かなる紅い夕陽」という小冊子で、ある名も無き家族の一家の満州からの逃避行の労苦を描いた漫画作品で非売品。



作者がなんと森田拳次先生。名作「丸出だめ夫」で知られるギャグマンガの重鎮で、特に1コマ漫画の分野では押しも押されぬ第一人者。ちばてつや氏、北見けんいち氏らからなる「中国引揚げ漫画家の会」の中心人物でもある。


ちなみに40数年前の小学校には現在のようにメガネ男子が多くなく、めがねをかけた男の子は必ずといって良いほど「丸出だめ夫」というあだ名がつけられた。ちなみにメガネ女子は「渋沢先生」。


それはともかく森田拳次先生の漫画作品「遥かなる紅い夕陽」をいただいた。ありがたい、大事にします。



ほんとうはもっとじっくり見たかったのだけど、「気楽な商談」のアポイントメントが迫っていたので駆け足で40分ほどで見学した。2時間は欲しいな。


そしてまた別の超高層ビルの最上階で行われた「気楽な商談」は気楽だった。その内容をここに書き記すことはしない。でも一言だけ。担当営業マンとテーブルを挟んで向かい合っての商談なのだが、驚いたのは彼が僕らにわかるように逆向きに紙にいろいろ書いて説明してくれて、これが読みやすいちゃんとした字なの。



「わー、この人、逆向きに字を書けるんだ。すげーなー」


とそっちが気になって、ちょっと上の空になってしまった。超高層ビルの最上階だけに「上の空」とは縁があっていい。<今日の一句>


商談も 遠い五月の 上の空



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