「特別展 五百羅漢−増上寺秘蔵の仏画 幕末の絵師 狩野一信」 (江戸東京博物館)


本日は両国へ。両国といえばなんと言っても両国予備校であるが、あちらは医学部専門。文化系の僕には縁がない。それに「みなさんがんばってね」と笑顔で励まされても、当時にしてすでに山本☆子は大年増。受験生にはアピールしない。きっと経営者が「お旦」なのだろうなどと邪推したものである。


「お旦」は品の悪い言葉だね。せめてタニマチといおう。


で、やっぱり両国といえば国技館だからここにつながるんだな。何をしに行ったかといえば当然、技量審査である。


いやいやそんなことはなくて、僕が両国に行くとなればたいてい江戸東京博物館である。


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ただいま開催中の「特別展 五百羅漢−増上寺秘蔵の仏画 幕末の絵師 狩野一信」を見に行ってきたのだ。



五百羅漢
   

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羅漢とは釈迦の弟子としてすでにこの世にいない釈迦の残した法を治めた存在として信仰されてきたものだ。そのため江戸時代中期以降、各地で様々な五百羅漢の木彫、石像、絵画が盛んに制作されるようになった。つまり「イコン」だよね。川越の石の五百羅漢や京都の化野(あだしの)のそれが有名。


うちにも一体ある。10年位前、ソウルの骨董街「仁寺洞(インサドン)」で買った。




今年は法然上人のご遠忌八百年。そこで徳川将軍家菩提寺として知られる港区・増上寺の秘宝「五百羅漢図」全 100 幅(各172×85cm)がご一新以来、寺外ではじめて一挙公開されたのだ。幕末の御用絵師・狩野一信( 1816 〜 63 )が 10 年の歳月をかけて描いた入魂の大作。


いやはや凄い迫力だったなあ。強烈な極彩色にこれでもかと描き込まれたディティールに圧倒される。そして生き生きとした躍動感。


監修の山下裕二氏(明治学院大学教授)の解説ボードが秀逸。赤瀬川さんと共著があるような粋人なので、カジュアルで親しみやすい。羅漢に進貢する衆生の列を「宅急便」に喩えたり、羅漢同士の宗論を「朝生」に喩えたり。僕などにはとてもわかりやすくてよかった。


枯れた雰囲気の羅漢が自分の顔の皮を剥ぐと中から憤怒の表情の不動明王が出てくる図は、まるで「大魔神」。そうかあの演出はこういう仏画が元にあったんだな、きっと。


イヤホンガイドの語りは国宝・大滝秀治氏。容貌で選ばれたことは疑う余地がない。


いやいや面白かった。


7月3日まで。一般1300円。


見応えあるので最低でも1時間ぐらいは見ておいたほうが良いね。僕もじっくり見ていたら閉館時間になってしまって、大好きな常設展を見損なってしまったよ。



見終わったら閉館の17時30分。このまま帰ってもいいのだけど、両国まで来てそれはもったいない。



続きは明日、みっちり書きます。長くなって読むのも大変だろうけど・・・・・。



みなさん、がんばってネ。



<今日の一句>


いにしえの 求道を偲ぶ 薄暑かな




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