第9回　45回転の人々 - 国立駅前・ギャラリービブリオ連絡版(蕃茄庵日録別板）

そして今日も雨。静かな雨。嵐の前の静けさか。

今日は、真空管ステレオが奏でるＢ〜Ｚ級昭和歌謡を聴きながらだらだらする日。

「45回転の人々」第9回

午後２時、ドーナツボーイズ次男・郷原一郎さん来廊。

二人で会場設営。二人でやるとあっという間。直ちにセッティングおよびリハーサルに入る郷原さん。

僕はそれを見ながらチラシ組み。

ついで相方の岡崎武志さん、今宵の特別ゲスト・作家の木村紅美さん来廊。段取りだけ確認。中身はすべて郷原さんが仕込んでいるのでお二人はその場まで知らないほうがいい。

雨の中お客様も続々来場。

赤ちゃん連れのNさんも。本番中は僕の自宅で赤ちゃんを預かるからとお誘いした。ツレも長女・花子(仮名・会社員)もてぐすねを引いて待っている。

時間通りに回転開始。

ドーナツボーイズにはさまれた木村さんはいっそう可憐に見える。

今日のテーマは双子歌謡。双子歌手の双璧、ザ・ピーナッツとこまどり姉妹を筆頭に知られざる双子歌手を深く考察する。はずだったその双璧に深入りするうちに時間が足りなくなり「知られざる」はけっこうスキップした。

ザ・ピーナッツでは当然、映画「モスラ」にも触れた。郷原さんは「モスラは怪獣映画ではなくザ・ピーナッツ映画だ」とガッパ。

じゃ無くて河童。じゃなくて喝破。

「モスラ」の敵役・ネルソンはジェリー伊藤。実はジェリーは国立ゆかりの俳優・歌手である。

その件について郷原さんに促されて僕がレクチャー。<その1>ジェリー伊藤は山口瞳氏の妹を妻にしています。　
　瞳先生のお葬式に参列しているのを見かけました(国立で)。当時(1995)、ジェリーはＮＨＫの子ども番組の「英語で遊ぼう」のグランパ役でちびっこに人気で、その話を子どもにしたら「お父さん、グランパに会ったんだー」と尊敬されました。山口原作で岡本喜八監督の「江分利満氏の優雅な生活」(1963)ではほぼ本人役で出演しましたそういう意味で国立ゆかりの俳優といえないこともありません。　<その2>モスラ(1961)でジェリー扮するネルソンの手下で小美人を誘拐してジェリーと共に最後、破滅した小悪党を演じた中村哲。彼はカナダ生まれの日系二世で英語が堪能で「レッドサン」ではミフネの主君・坂崎備前守を演じています。そして藤原歌劇団出身の歌手で笈田敏夫とならぶジャズ歌手のはしりでうちにレコードがあります。

時間が無いので青字部分は省略。

あっという間に２時間。双璧以外はほとんどふれられなかったのでその第２グループの先頭走者ともいえるリリーズも手付かず。リリーズに関しても小ネタを仕込んだ。リリーズもこれまた国立ゆかりの歌手である。

<その１>リリーズは国立に住んでいました。富士見台の今ジョナサンがあるちょっと南の小体な一軒家で“燕”の表札がありました。同じ年齢の私は通学列車の中央線で隣り合わせたことがあります。近くで見ると妙に赤黒い顔だった記憶があります。まゆみだったのかなおみだったのかはわかりません。

<その２>大学生のころ(1980ごろ)、リリーズ追っかけの友達に誘われて銀座･メイツのライブにいったことがあります。彼は仙台在住でそのためだけに上京し、うちに泊まっていきました。ライブには親衛隊がたくさん。妙に統制が取れてました。MCで「わたしたち近くのシティマジックってお店にいくんですが」と言ったもんだから大変。彼は「俺たちも行こう」と。近くって言うからには国立だろうと一生懸命電話帳を繰りましたが見つかりませんでした。後で判明したのですが、そのお店は西荻窪でした。見つからないわけです。

青字部分は割愛。あ、全部か。備忘のために書いた。

１５分延長して無事終了。そのあとは打ち上げ。レコードをかけながらわいわいとすごした。

途中からNさんの赤ちゃんも参加。愛想のいい子で場内の人気を一身に集めていた。僕も抱っこさせてもらった。

「国立のじいじ」に立候補を宣言。そして出てくるライバルは逐一早めにつぶすことも宣言。僕はそうやって出世してきた(だから出世してないって。同期入社15人中14番目の昇進だったじゃないか)。

9時にお開き、後片付けもしていただき助かった。皆様を見送って、９月から難しくなったゴミの仕分けをしてほっとしたらそのまま座敷で寝落ち。

嵐の音で目が覚めた。勝手口の外のタタキに置いたワインの瓶が倒れたようだ。

・・・・・・・もうすぐ開催・・・・・・

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