梗塞日記〈5〉賽の河原


リハビリでお手玉。ィンストラクターが床にぶちまけたお手玉たちを利かない左手で一つ一つ拾い上げる。ようやくバスケット一杯回収日したところで、またィンストラクターがぶちまける。またいちからやりなぉし。まるで賽の河原の風景である。


大きなちがいは鬼でなく、小倉優子似の美女であることである(ちょっとうらやましかろう)。守り本尊は地蔵菩薩ならぬ関頑亭先生直筆の「薬師如来来迎図」



夕食はとろろそば。そばどころ「深大寺」の隣なのでちょっと期待。

以前にも書いたが、病院食は誤嚥下防止のために蕎麦も三センチカットされている。まるでヌードル・スープ。


「蕎麦、長すぎる」


フランス文学の泰斗・ルナールの警句を持ってくるあたり、まだ冴えてるな俺も。脳の半分がこわれているわりには。