さよなら、歌舞伎座

建て替えとなる歌舞伎座

昨日、一昨日の日録で三波春夫歌舞伎座公演に行ったことを書いた。実はそれが僕の“歌舞伎座デビュー”だった。

伝説的存在の、歌舞伎座内のバーにもそのとき行った。もちろん酒を飲んだわけではない。

その日、僕はリンゴジュースを持っていったのだが・・・。今は缶ジュースというのはほぼ例外なくプルタブを引っ張って空けるタイプだけど、かつて結構あったのが、長さ5センチほどのちっこい「バール状の」金具がついていて、穴を2個開けて(一個は飲み口、もう一つは空気抜きの穴)飲むタイプだ。穴が小さいので、「飲む」というより「吸う」感じ。

僕が持っていったのはそのタイプだった。そしてその金具をなくしてしまったのだな。開かないから飲めない。どうしようかといったら「2階にバーがあるからあけてもらって来い」と祖母。

で、開けてもらいに行ったのだ、バーに。

蝶ネクタイのバーテンさんはニコリともせずに開けてくれた。その缶切りはうちにあるようなキコキコ開けるんじゃなくて、小さなハンドルを回すとクルクルと開くやつで、それはかっこよかった。


自分の意思で初めて歌舞伎座にいったのは高校生のとき。市川猿之助の「岩藤の骨寄せ」だった。もう感激してしまって、終演後も地下鉄の駅に下りることが出来ずに、「酔い」を覚まそうと歩いていたら、結局新宿まで歩いてしまった。


大学に入ってからは、多い時期は一月に2,3回行っていた。もちろん3階。花道は見えないので想像するしかない。でも芝居を見る、というより空気を吸いに行っていたので別に満足だった。

2階の階段の踊り場だかに、白髪のおばあさん用のカツラがショーケースで飾ってあってね。僕たちは「藤本義一」と呼んでいた。「じゃ、休憩時間に“ギイチ前”に集合ね」なんていって。

残念ながら、国立劇場にこの興奮は、ない。最高裁の隣、だもんね。芝居小屋ってのはやはり「街とセット」ですよ。


歌舞伎座のあの建物が無くなるのは残念だけど、あの木挽町にあるかぎり、きっとあまり変らないと思う。


なんて、全然歌舞伎見に行ってないのに、エラソーに言ってごめんなさ〜〜い。


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