人前でアガらない薬

職場近くの薬屋さんでグッとくる貼紙があった。


「人まえであがらないくすりあります」



なんとなんと。


実は僕は凄く「人前でアガる」人なのだ。子供のころは授業で先生に当てられるとアガッて顔が真っ赤になった。まるでトマトのように。


当然、渾名はトマト。ハンドルネームの「蕃茄山人」もそれに由来している。


蕃茄とはトマトの漢語的表現である。


大人に、と言うか、老境に入りつつある今もそれは変わらない。


寄席に行って、奇術の先生が実験台の観客をステージ上から探し始めると、お尻がムズムズして落ち着かなくなる。


ちなみに討論や議論も苦手。議論するくらいなら、言いなりになったほうが楽。


そんなわけで「人まえであがらないくすりあります」の貼紙にはかなりグッと来てしまうのである。


しかし買おうとは思わない。だって、そうじゃなくてもこんなに薬を飲んでるんですぜ。



収拾つかなくなっちゃうよ。


なんて思いながら店頭の貼紙の写真を撮っていたら、不思議に思ったお店の人が顔を出した。



赤面してしまった。




<今日の一句>


人前は 苦手と春の 夕べかな


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