【昨日日記】
昼前に西友で打ち上げの買い物。しょぼいのは論外だけどそうそう赤字も出せない。この辺が幹事の腕の見せ所。
昼食後、現場で助っ人の長男・虎太郎(26歳・会社員)と打ち合わせ。全体の進行と高座の造作の確認。高座に関しては今回、虎太郎に主導してもらう。
そんなやりとりをしているところに帝王・久保新二さん登場、「荷物だけ先に置かせて」と。荷物を置くだけと言いつつ突如始まるマシンガントーク。そして虎太郎にポスターを渡し、
「これ、その辺にガムテープで貼っておいて」
と言い置き、国立駅にお客様を迎えに行った。
いやいや、ガムテープなんてとんでもない。商売柄、額縁ならなんぼでもありますぜ。
スタッフ、キャスト集合は3時。
MC・プロデューサーの久保新二さん、落語・三味線の三遊亭遊史郎さん、舞踊の藤間紫之月さん、席亭という名の会場管理人の僕、助手の虎太郎。それに加えて今回は地元・一橋大学落研のメンバーがスタッフ入りしてくれている。リーダーの南亭骨太(なんてこった)さんと紅一点の粋人亭漱石さん。
音響チェック、照明チェック、高座チェック、進行チェック、そして役割分担チェック。虎太郎と骨太さんが高座担当、漱石さんが音響と照明。僕が受付と会計と遊軍。客席案内は全員で。
開場ギリギリまで高座で三味線の調子を見る遊史郎師匠。廊下で踊りの手を確認する紫之月さん。路上でタバコを吸う久保さん。
敷地内なのでギリギリセーフ (市条例による「駅前路上喫煙禁止エリア」内に立地)
開場と同時に多くのお客様入場、続々と席が埋まる。
こういう当日払いのイベントって、一割くらいはドタキャンが出るものだけど今回はゼロ。開演までに全員が揃った。
17時開演だが、16時55分ごろから久保さんがしゃべりはじめる。
いきなりトップギヤのマシンガントークに続いて新曲の「人性激情」のデモ歌唱。
新導入のカラオケマシン初お目見え。
遊史郎師匠の一席目は道楽者の若旦那と親父のバトルを描いた「六尺棒」。一席目は軽めの滑稽噺。
続いて遊史郎師匠と藤間紫之月さんのユニット「合笑組」のステージ。
落語の時ステージのセンターにあった高座を下手に異動して踊りのスペースをつくる。移動は虎太郎と骨太さん。
その間は久保さんがトークでつなぐ。
が熱が入り、伸びる。舞台袖から心配そうに見る遊史郎師匠。
映画「オズの魔法使い」の「ドロシーがマンチキン国に着いたシーン」風で。
誰でも知っている「梅は咲いたか」「かっぽれ」で場内は盛り上がる。華麗な舞の数々に客席はうっとり。
続いて紫之月さんのソロで「黒田武士〜名槍日本號」。扇子を大盃に、槍に見立てて豪快に舞う。小柄で華奢な紫之月さんが豪胆な武将に見える。
仲入り後は遊史郎師匠の俗曲2曲。
そして紫之月さんのソロで長唄「菖蒲浴衣」。先ほどの黒い着物から一転して鮮やかなコバルトブルーの大振袖。
そのあでやかさに場内のあちこちからため息。
この衣装、演歌歌手の小野由紀子さんからいただきものだとか。
大トリはもちろん遊史郎師匠で「妾馬」。八五郎が母を語る下りでは場内はシーーーン。感動に包まれた。
これにて終了。先ほどの「セットリスト」は入口の扉に掲出。
源氏襖(ガラスだけど)の桟の造作のシルエットの映り込みももちろん計算ずく。みなさん、写真に撮って行かれる。
虎太郎と学生さんが打ち上げの準備をしてくれているので安心してお客さんのお見送り。
藤間紫之月こと、しのはら実加さんのホームグラウンド「お笑い浅草21世紀」のリピーターでもある児童文学者の内田麟太郎さんを紫之月さんにご紹介。
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ご同行の最上一平さんはご紹介しそこなった、残念。
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現在、毎日新聞朝刊で「桜田です!」を連載中の漫画家・いしかわじゅんさんがついに来てくださった。20年ほど前、僕は担当編集者の一人だった。僕が企画して、異動後も続いた連載は下の本になった。
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藤間紫之月こと、しのはら実加さんは数年前まで月蝕歌劇団のトップ女優だった。同劇団主宰の高取英さんといしかわさんと長年の盟友。その関係で交流は古い。
そして久々の再会だった。玄関は暗いので楽屋で記念撮影。
女だらけの超絶パフォーマンス集団「デリシャスウィートス」座長のチヤーマアハイヂさんも「かっぽれ見たい」と来てくれた。
デリシャのショーも見たいなぁ。できたらビブリオで。
そのあとは打ち上げ。出演者と僕がお客さまを送り出している間に、虎太郎と学生さんが、場内にびっしり並べられた座椅子を左右に分けて、高座を解体して取り出したテーブルと楽屋の隅に立てかけてあるテーブル3台を直列に並べてセッティングしてくれた。
ちゃんとマニュアル化して各人に渡して、なおかつ壁に貼っておいた。これに準じてやってくれればできるはず。
こういうのをつくるのはお手の物。会社員生活30年、どんだけ業務マニュアルや引継ぎ書を作ったことか。よく「サラリーマンは潰しが利かない」という人があるけどそんなことない。サラリーマンほど潰しが利く職業があるものか。
開宴。翻訳家の金原瑞人さん、フリーライターの岡崎武志さんが参加してくれた。
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なんか合笑組国立公演に来たお客さんだけで一冊雑誌が作れそう。編集? そりゃもちろん僕がやりますよ(うそ)。
宴会は出演者、有志のお客様に加えて学生さんにも参加していただいた。まさしく老若男女。相当久しぶりに会う大学時代の先輩、先週もあった中学の先輩も来てくれた。
今回のメニュー(順不同)
枝豆
シューマイ
ソーセージ
ミートボール
いなりずし
ポテトサラダ
マカロニサラダ
アンパン
みたらし団子
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ビール
チューハイ
ウィスキー
赤ワイン
白ワイン
ウーロン茶
緑茶
コーラ
なかなかのものでしょ。
それこそ、年齢も職業も様々な人々が「演芸」を一つの媒介にして交流をしてくれて実にうれしい。「演芸」にはそういう力がある。人の心をまろやかにする。
よく高い会費を出して高級ホテル宴会場での異業種交流会に出席している人がいる。それもいいけど、ビブリオの合笑組国立公演に来た方がいいですよ。打上げ参加費を加えてもたった4000円のディナーショー。コスパ高すぎでしょう。
21時に久保さんの一本締めで終演。みんなニコニコと帰って行かれた。地元組が後片付けを手伝ってくれて大助かり。舞台化粧を落として少女のようになった紫之月さんが洗い物をやってくれた。
今回も大成功と言っていいだろう。一橋落研の皆さんに手伝ってもらうというアイディアも大当たりだった。
秋ごろにまたやりたいですね、と話し合った。
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