天才! 怪人! 荒川修作

えー、一昨日の日記でご紹介した「業界の濃い人」が増刷となり、書店に積まれています。みなさま、書店にお急ぎください。

さて、皆さんは荒川修作をご存知だろうか。世界的に有名な芸術家である。岐阜県に作った?養老天命反天地?という珍テーマパークで名高い。どう「珍」かというと、ここに行くと三半規管や身体感覚に変調が起こるのだという。またいま流行の「バリアフリー」の逆を行くバリアフルな住宅の設計でも話題になった。何しろ廊下が傾いていたり、リビングに深い谷が掘られていたりするのだ。

まあ、21世紀まで生き延びた岡本太郎、といった感じの人だ。

僕は一度だけ荒川氏に接近遭遇したことがある。10年位前にさる業界筋パーティーで彼のスピーチを聞いたのだ。

「僕の話はすべて難しい・・・」

の導入で話し始めたそのスピーチは本当に難解で何を言っているかまったくわからない。ほとんどノンブレスにも感じるローテンションで抑揚がなく、しかも長い!! ひたすら長い!!

荒川の「僕の話はすべて難しい・・・」は岡本の「何だかワカラナイ!!」に匹敵する爆発力と破壊力があるとおもう。


そして今日のニュースの主役も荒川修作だ。

4月に荒川修作はNHKの「ようこそ先輩」に出演した。僕もみたが、現代っ子たちと天才芸術家との掛け合いは実に愉快だった。妙に快活な荒川さんはチャーミングだった。


ところが、これが「人違い」ならぬ学校違いだったそうな。番組で荒川さんは名古屋市立瑞穂小学校を訪問したが、実際に卒業したのは隣の同市立御劔小学校だったという。原因は本人の記憶違いだとか。

ふつう間違えるか? 仮に間違えても行っても気づかないというのが凄い。

やっぱり天才で怪人だなあ。