スティーブンソン『宝島』

『宝島』である。サブカル誌かと思ったらヘアヌード誌になり、パソコン誌かと思ったらビジネス誌にもなる、あの雑誌のことではない。

ロバート・ルイス・スティーブンソン著の『宝島』である。金原瑞人訳の「偕成社文庫」版で700円。

宝島

 なぜ今更『宝島』なのか? それは今まで読んだこと無かった、というのが理由。
子どもの頃、近所の本屋さんで陳列されていた『宝島』の表紙の絵が恐くて避けていて、そのまま縁が切れたのだと思う。多分、主人公のジム少年が夜の闇の中でなにか叫んでいる図柄だった。

 最近、故あって(いずれ書く事になると思うと思う)金原瑞人訳に凝っている。いろいろ読んでいるのだが、リストを調べるうちに同書にぶち当たったというわけだ。

 いやぁ、面白かったなぁ。ハラハラドキドキの連続で実にテンポがいい。120年前の作品なのにまったく古臭くない(このへんが金原訳の魅力だろう)。

 キャラがいい。脇役に至るまでイキイキと血が通っている。
 特にシルバーがいいなぁ。うーん、ビートたけしに演じさせたい。大杉漣柄本明でも悪くない。
 大旦那トリローニ氏は大人(たいじん)の風があるから里見浩太郎高橋英樹。ちょっと昔だったら高島忠男がいいな。
  リブジー先生は錦織健。老かつらが似合いそうだからね。
  ジム少年は「ひまわり」あたりからオーディションでいいだろう。気丈なジムの母は萩尾みどり(マニアック!)。

  今時「赤毛もの」というのもなんだから、江戸中期の紀伊和歌山あたりに設定を変えた時代劇で。

  うーむ、われながらメチャクチャだ。でもカーテンコールの、たけしシルバーを想像すると、ゾクゾクする。