「夫以外とのセックスはどうしてこんなに楽しいのだろうか?」
林真理子の小説『不機嫌な果実』の帯コピーだが、今宵のぼくは、
「自分以外の仕事はどうしてこんなに楽しいのだろうか?」
だった。生来おせっかいな方なんだけど、他人の仕事の手伝いをするというのは面白いなぁ。いつもはウンザリしながら残業しているのだけど、他人の仕事だと全然億劫じゃないし、アイディアだってバンバン出てくる。
やっぱり責任が無いからなんだろうな。自分の仕事だと出したアイディアもすべて自分でやらなくちゃいけないし、失敗のリスクも自分にかかってくるから、無意識的にブレーキがかかって自己規制しているのかもしれない。「小さく小さく」まとめようとね。
他人の仕事だとそんな意識が働かないから、帰りの電車の中でもより当事者の仕事が増えるようなアイディアが浮かび、黙っていられなくて携帯でメールを送ったりする(折り返し「そうだね」と言葉少ななメールが戻ってきたりする)。
そんなわけで同僚は重荷を抱えた連休になったかもしれないが、ぼくの方は「ああ面白かったなぁ」と上機嫌で帰途についた。