お寺でちびっこ仏画会

本日は「ほんやらなまず句会」の10月定例句会だった。
 その内容の報告はいずれしよう。

 句会が終ったあと、伝説の居酒屋「とむ」で反省会(?)。
 どこが伝説かというと、

 かつては安くて美味い大変人気のある居酒屋として有名だったけどご主人「とむ」氏が「酒は供するより自分で飲んだ方が楽しい」との理由で引退、数年の空白を経てかつての常連たちに懇願されて再度開店した、という伝説がある
 
 という伝説だ。
 今日も焼きうどんやキャベツ炒めがやたらおいしく、それでいて「これ、なんかの間違いじゃない? マスターが気づく前に急いで帰ろう」と思うくらい安かった。



 今日「とむ」に行ったメンバーの中にユキエちゃん(実名・?歳)という人がいる。日本画の流れをくむイラストレーターだ。
 
 彼女はただ今新婚。ご亭主はお坊さん。つまり彼女は今やお寺の若奥さんなのだ。べつにもともとお寺に縁があったというわけではなく、かつてイラストの仕事をした雑誌の編集者と恋に落ちたら、その編集者がお寺の跡取りだった、というご縁だ。

 ここ2ヵ月ほど句会を休んでいたのは、お盆→お彼岸と続くお寺の繁忙期だったためらしい。それまでの生活とガラッと変わったので苦労も多かろうと心配していたが、いたって元気そうだった。一般社会とは違うしきたりなどもいろいろあってそれなりにと惑うことは多いようだが、持ち前の前向きな精神とアイディア、バイタリティ、そして周囲の理解と愛情で楽しく坊守り(お寺の若奥さんのことをこう呼ぶらしい)の仕事をしているようだ。

 そんな彼女がこの夏休み、仕掛けたイベントが「ちびっこ仏画会」。檀家およびその周辺の子どもを集めて本堂で合宿イベント(これは恒例)をした時のことだ。寺所蔵の仏像を公開し子供たちに自由に描かせたという。
 じっくりと陰影をつけてリアルに仏像を写生する子もいれば、仏像をモチーフにした怪獣を嬉々として創造する子もいる。ご住職の説法から仏画を織り出す子もいる・・・。

 美術の教員資格をもち、絵本や幼児教材の仕事をしていた経験もある彼女は、子どもに楽しく絵を描かせるプロだ。イベントは大成功だったようで、出来上がった絵は本堂の壁に掲出し、檀家の方々にも好評だったという。

「ふーん、おもしろそうだなあ。俺も子どもに戻って参加したいなあ」

というと、

「子どもに戻るのは無理だけど、運営ボランティアはいつも募集してるから、来年やってみる?」

と言われた。お寺の本堂で仏像に見つめられながら雑魚寝するのはちょっと怖いけど、作務衣を着て(もちろん自分のを持参する)寺男の真似をするのは、かなりやってみたい。