空太郎さん

俳画3人展」までいよいよ一週間。3先生のプロフィールパネルの納品がてらエソラ(キャットフィッシュ)に行った。ドアをあけたらそこには中上健次がいた。

 もちろん本人のわけはなくて、いままで幾度と無く、国立←→小金井界隈で噂に聞いた伝説の盆栽師・空太郎さん(仮名)だった。豪放磊落な大男で、一番元気な頃の中上健次にそっくりな人だ。ちなみにこの空太郎という仮名、いつもの僕の命名ではなく本当に皆にそう呼ばれている通称だ。

 手軽に楽しめる盆栽をつくるのが空太郎さんの天職。パラダイス山本よりずっと古くからマン盆栽を手がけている。千趣会みたいな会員制の通販の「一年間毎月違う種類の盆栽をお届けします」というような盆栽の生産も請け負っている。何しろ自然が相手だ。コンスタントに同レベルのものを量産するというのは生半可な仕事ではないだろう。

 現在、盆栽とあるもの(まだ内緒)のコラボ展を企画していて、そのプランニングをエソラのオーナー、マスオさんに頼みに来たのだった。

 お二人の話を聞いていると本当に面白い。お互いの得意ジャンルや人脈を活用した珍ビジネスのアイディアが次から次へと出てくる。それらアイディアの数々をここに書いてもいいのだけれど、どこかのおっちょこちょいがもし真似をしたら、真似した人が気の毒なのでやめておく。

 本当に名前の通り、墨で大空に絵を描くようなそんな人だった。

 空太郎さんの作品を見たい人はキャットフィッシュへ。最新作の小品が店の隅のほうに飾ってあります。