終電近い神楽坂駅で電車に乗ろうとしていたら、同僚のI君に声をかけられた。
年齢も同じで彼は吉祥寺、僕は国立。かつては中央線美少年倶楽部と呼ばれていた(誰も呼んでくれないのでお互いに呼び呼ばれていたわけだが)。感覚的にも、いろんな方面でかなり近しいものを感じている。
彼は現在、関連会社に転出しているのでかなり久し振り。積もる話に興じた。
本社の近況ネタをネタ振りももどかしく早口で語り、一気にオチに入ろうとしたところで列車は高田馬場に着きドアが開いた。
「じゃ、また!!」
知らぬ間に西武線沿線に引っ越していた彼は、乗り換えのためホームに降りてしまった。
あれ? 引っ越したんだっけ?と問うと、
「俺は中央線の呪いを脱したんだよ」
とニヤリ。
ドアが閉まった。
地下鉄東西線の車内に取り残された僕は、友を失った衝撃とオチを言い損なった後悔に、ひとり打ちのめされていた。
「で、結局、誰も見ちゃいないんだけどね(笑)」
と、小さな声で?幻のオチ?を呟いた。