チムチムチェリー

今日は暑いですな。

 あまりに暑いので職場のエアコンの送風を普段使わない「最強」にしたら、長年堆積していた埃というか煤というか、のカタマリが天井の送風口から「ボファッ」と吐き出されてきた。

 直径3センチぐらいあるやつ。

 そう、「となりのトトロ」に出てくるマックロクロスケそっくりなやつだ。

 女子から悲鳴が上がる。

 思わず腰を屈めて、

 「フォッフォッフォッ!!こりゃススワタリが出たなぁ」

 などと北林谷栄の声色など使って遊んでいたが、このままでは仕事にならないと言うので、急遽、掃除をすることになった。

 掃除をすることになった、とは言っても机に乗って天井の送風口に手が届くのは、その場にいた人の中では僕だけだったので僕がやることになった。


 向きは天地逆だが気分は煙突掃除、ディック・ヴァン・ダイクである。

「♪Chim chiminey Chim chiminey Chim chim cher-ee! A sweep is as lucky As lucky can be♪」

 などと気分良く鼻歌まじりで作業していたが、下界は煤の嵐。頭に新聞紙を載せて仕事をしているやつもいる。

 惜しい! そこでパラソルでも使えばメアリー・ポピンズになれるのに。

 
 新聞紙じゃ「ロッキー・ホラー・ショー」である。