リフォーム詐欺 VS フィルター詐欺

最近、お年寄りを狙ったリフォーム詐欺が横行しているようである。親切ごかしに近づいてはボロ家に無用なリフォームをさせて虎の子を吐き出させるという悪辣な手口である。許せん。


でもやっていることはデパートの化粧品売場も変わらない、なんていう嫌味をいいにここにまかりこしたのではない。



リフォーム詐欺ではないけど、引越し詐欺というのがある。いや、そんな言葉があるかどうかはわからないが、引越しの混乱に乗じて暗躍する詐欺師のことだ。実は、うちも危うく引っかかるところだったのだ。


今の家の前に住んだ中古マンションに引越す際、リビングのカーペットをフローリングにリフォームした。その際のことである。


約束した工事日の朝、作業服を着たリフォーム業者の職人さんが3人入ってきた。


あれ?  電話では、二人って聞いてたんだけどなぁ。



一番最後に入ってきた一人は、


「や、どうもぉぉぉ」


みたいなやけに軽いノリで、いきなり、


「それじゃ、換気扇のフィルターつけますんで」


といって換気扇にアルミ製のフィルターを取り付け始めた。


ちょ、ちょっとぉ、


と言うツレの制止も聞かず作業を続ける(実はこのとき僕はいなかった。だからこれはツレから聞いた話だ)。


よく見るとそいつだけ作業服が違う。


ちょっと待った!! うちはフローリングは頼んだけど換気扇は頼んでない。あなたは誰?


果たしてそいつはリフォーム業者とは無関係で、勝手に入ってきたフィルター屋だった。


ツレがフィルターをはずして直ちに退出するように言うと、せっかく着けたのだから引き取ってくれと泣き着かれたと言う。価格を聞くとホームセンターの3倍以上。もちろん拒否。


すると逆ギレして毒づいてきたので、オーサカ・ディープサウスのネイティブ・スピーカーであるツレは、母語の破壊力を十二分に発揮して、フィルターをただちに取り外させて退出させたそうだ。


どうも、リフォーム業者の車のあとをつけては、引越しや工事でごたついている家に乗り込み、そんな詐欺まがいのことをしている手合いのようだった。引越し詐欺の亜種、フィルター詐欺とでも言うべきか。