弁当詐欺 VS 赤鉛筆詐欺

詐欺やインチキ商売の話ばかりで恐縮であるが、大学時代の友人・ルーニー(仮名・今は47歳くらいかな。元気かな?群馬で)がやっていたのが合格弁当である。


合羽橋か築地場外で折箱を大量に買ってきて、仲間のアパートに米と食材と電気釜を持ち寄っていい加減な弁当を作り、絵とレタリングのうまい奴が縁起がいい図柄をパッケージデザインをして、学校の印刷機で印刷して弁当に被せて輪ゴムでとめる。


「合格弁当」の出来上がりである。


それを大学入試の試験日に各大学の門前で売るのである。


「は〜い、合格弁当、安くて美味しいですよ〜」


結構売れたらしい。校章などをデザインあしらうとより売れるらしい。


製造者の名前などは決して入れない。売り逃げである。衛生管理はほぼ「無い」に等しい。手早く売り切って、手早く撤収。まるで戒厳令下の反戦ビラである。


「合格弁当」、別名「チーター弁当」。売る奴も弁当自体も「足が速い」。なにしろ衛生管理はほぼ「無い」に等しいのだ。これを食べると試験のヤマが、よく「当たる」というのは悪い冗談だ。


それと双璧をなすのが、友人のトニー・セイント(仮名・40歳ぐらい)の「赤鉛筆詐欺」だ。


赤鉛筆は最終レース終了後の競馬場を下を向いて歩けばいくらでも見つかる。元手ゼロ。それをキレイに削りなおして、箱に入れて準備完了。


そしてこれも大学入試の試験日に各大学の門前で売るのである。


「は〜い、赤鉛筆100円ですよ〜。中では売ってませんよ〜」


たしかに中では売ってない。でもそれは必要ないから売ってないのである。そして売り子も「入学試験で使う」とは一言も言っていない。「赤鉛筆が100円であること」と「中では売ってないこと」を言っているだけなのだ。


それでも結構売れたらしい。もしかしたら、と思って不安になって買ってしまうのが受験生というものなのだ。


それにしても「弁当詐欺」と「赤鉛筆詐欺」。労力やリスクの割にはあまり儲かりそうも無い。普通にアルバイトしたほうが、よっぽど実入りが良いように思うのだけど、いかがか。