・・・・・5月4日(3日目)の旅日記<10>・・・・・・
憧れの「あじあ号」に会えて、この旅日記も終わったと思った人!! まだ旅の半ばですからね。ご覚悟ください!!
さて、そういうわけで、警備員さんたちのご厚意であじあ号(=パシナ)に会えて大感激なのであった。あ、一応断っておくけど、前回までに書いた僕と警備員さんたちの会話は、すべてお互いの母国語によるものです。ですから、厳密には噛み合ってないと思います。でも心はお互いに通じたと思っています。
閑話休題。後は、あのバス停まで歩いていくのみである。
長い長い道。三吉は前方に矢を放っては、それを追って歩いていく。フリスビー・ドッグみたいな奴である。
静か。静か過ぎるほど静か。時折、自転車で園丁が通る以外は行きかう人もいない。
目の前をちらちらするものがある。
綿だ。
どこぞで綿菓子屋が屋台を出しているか(思わない)、それとも蒲団屋が出張作業中か(思わない)。
「柳絮(りゅうじょ)」である。
「柳絮」=白い綿毛をもった柳の種子。また、それが雪のように散るさま。[季]春。(大辞林)
歳時記でその存在は知っていたが、初めて見た。美しく可憐なものである。
この鉄西森林公園、かつては于洪苗圃と呼ばれていた、街路樹用の若木を育てているところだから、木も若くて元気がいいのだ。
「柳絮の才」という言葉がある。晋の時代、謝安が雪を何に似るかときいた時、甥が「塩を空中にまいたようだ」と答え、その妹である姪の謝道ウンが「未若柳絮因風起(白い綿毛のついた柳の種子が風に舞うようだ)」と答えたところから非凡な才女のことをいう言葉だ。
ダメだなあ、兄は。なんだよ「塩を空中にまいたようだ」って、お前は高見盛か?! 水戸泉か!?
って僕も、柳絮を見て「蒲団屋の出張作業」じゃ人のことは言えませんね。
( つ づ く )