瀋陽、右往左往 皇姑の秘宝探し
・・・・・5月4日(3日目)の旅日記<14>・・・・・・
「張氏帥府博物館」、建物の写真が見つかった。携帯電話の中に入ってた。
真ん中の青服の男、立ち○ョンではない。園丁が花壇に水をやっているのである。
さて、そういうわけで「張氏帥府博物館」で秘宝の数々を見たわけである。この勢いで、何か中国っぽいお宝を見たいね。ついでにお土産でも買えれば。僕は消費意欲が薄いので、意識してないと、ついお土産を忘れてしまうのだ。
ガイドブックを見たらいいお店があった。
高級お土産屋さんだな。こういうところは見るだけでも楽しいんだ。買えなくてもお宝を見るのは楽しい。
場所は?
「皇姑区」
皇の姑かぁ。そりゃまた秘宝探しにふさわしい地名だなぁ。でも地図で見たらちょっと遠い。タクシーで行こう。
タクシー代は20元。約320円。結構乗った。
大通り沿いにあるその店の重い扉を開けると、かなり広い。200坪くらいありそう。客はまばら。中国のお店らしく、店員さんがたくさんいる。一斉に僕らに視線が集まる。視線に肩が重い。
店内にはヒスイや玉の細工物や琥珀の工芸品などが並ぶ。数万元、つまり数十万円のお土産物品のオンパレードだ。
三吉は値札のゼロを数えては、「ヒェー!!」などと絶叫している。店内を小走りに巡っては、「とおちゃん、こっちにすげぇ高いやつがある!!」などと興奮している。
一人の店員さんがマン・ツー・マンでついて回る。ちょっと商品を手に取ると、すかさず流暢な日本語で詳しく説明してくれる。いや、そんな、冷やかしですから・・・・。
僕らが入ってきたときにいた数人のお客(もちろん日本人)が一斉にいなくなった。同じ団体だったようだ。というかこの店自体が、団体さんが放り込まれる店のようだ。
店員さんが聞いてきた。
「お客様はどのバスですか?」
いや僕たちは歩いてきました(ほんとはタクシーだけど)。
店員さんの相貌に失望の影が差す。そしてしばらくしたら、小さな声で囁いてきた。
「このお店はとても高いです。同じものがその辺のお店で半分くらいで買えます」
親切で言ってくれたのか、「貧乏人はモノを壊す前に他の店に行け」という意味なのかは未だにわからない。でもそろそろ潮時なのだけは間違いない。
僕は、玉を彫刻して作った白菜の値札を見て「ギャオーー!!」などと吼えている三吉を促して、店の外に出た。そう、「その辺のお店」に行こう、と。
( つ づ く )