「都市伝説・友達が勝手に応募」

で昨日の件である。「オーディションに友達が勝手に応募」。こんなことが本当にあるのかと言うことに関する考察である。

「友達が勝手に応募」と双璧を為すのが、「○○を歩いていたらスカウトされた」である。これは良くあるのだろうね。僕自身、大学生の頃、某地下街を歩いていたら自衛隊にスカウトされたぜ。

「大学生? 何年生? 就職決った? 自衛隊に興味ない?」

興味はあるが、高校の時に野間宏の『真空地帯』を読んで以来の軍隊恐怖症の僕は固辞した。


ちょうどその頃である。夏の東北を一人旅をしていた僕は一人の美少女と出会った。ローカル線の向かいの座席に座った部活帰りの彼女はヒロコちゃんといった。

ろくに共通の話題は無いはずなのだが、妙に話が弾んだ。もっとも電化されていないディーゼルだったので音がうるさくて、半分くらいしか聞き取れなかったが。

砂利敷きの無人駅のホームに下りたヒロコちゃんは、列車の中の僕に軽く手を振ると、水色の制服の裾をヒラヒラとなびかせて森の中に消えていった。


ヒロコちゃんの「其面影」を胸に抱いた僕は、帰京後、友達のタッチャンにその話をした。彼は茶化しもせず真剣に聞いてくれた。そして「それはもしかしたら運命的な出会いなのかもしれない」とまで言ってくれた。


その数週間後である。僕のもとに「プロポーズ大作戦」からオーディション(第一次書類選考)のお知らせの封書が来たのは。名も知らぬ思い人を探し出してくれてスタジオで「ご対面」するあの伝説の番組である。


タッチャンが僕の名前で応募してたんだな、これが。



そう、この話はつまりここに着地するの。「オーディションに友達が勝手に応募」なんてのはよくある話、ってことね。


そんな純情でお節介なタッチャンがどうしているかと言うと、教職にあってしかも教務主任だか学年主任だかという、日本の教育は安心だ、というのが今日の結論である。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ご意見、ご希望は下の「コメントを書く」欄へ。内密な話はメール



タッチャン、たまには飲みに行こうや