高砂コンビニ奮闘記

先日書いたコンビニ店員の作家とは森雅裕さんのことである。


正確には「コンビニ店員だった」作家。その店の閉店とともにコンビニ店員を卒業した。


森雅裕をご存知だろうか。

1953年生まれ。東京芸大出の作家である。1985年「モーツァルトは子守唄を歌わない」で第31回江戸川乱歩賞を受賞してデビューした。ちなみに同時受賞者は東野圭吾だ。


芸大では日本画と彫金を専攻し、また刀鍛冶の修行も積み刀装具も手がける職人、アーティストでもある。


文筆についても職人気質で、最高峰の乱歩賞を受賞したあといわゆる「玄人受け」する作品をコンスタントに書いていた。しかし持ち前の頑固さからなのか何なのか、ことあるごとに編集者と衝突することになり、いつしか「干された」状態となった。

作家としての仕事が来なくなり、刀装具というものはほぼ需要が無いものだから、無収入の状態が何年か続く。


そして辿り着いたのが葛飾高砂のコンビニである。


そこでの激動の10数ヶ月のことを書いた本がこのほど発刊された。


高砂コンビニ奮闘記 悪衣悪食を恥じず』(成甲書房)である。


高砂コンビニ奮闘記


「そういう本はよくあるじゃん。いわゆる業界内幕暴露でしょ」という人もあるかもしれない。

ちょっと違います。告発などしていない。見ているのだ。描いているのだ。


この著者は人間観察のプロである。そして手錬れのミステリー作家である。情景描写に長けているから、深夜のコンビニの慌しくも気だるい気配がよく伝わってくる。


前書きにいわく、「コンビニという泥沼に蓮の花を見た」。


コンビニに咲く蓮の花とは何か? 読み進むとそれが次第に姿を現し始める。

嗚呼、俺の周りに蓮の花はあるのか・・・・。



まだまだ書き足りないことがたくさんあるので続きは明日。多分。



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