春寒の銀座、ギャラリー散歩

芸能面で、特に僕にとってはショッキングなニュースがあったが、落ち込んでFはいられない。元気出していこう。


今日も朝からひたすら寒いが、一番で「多摩スポ」へ。専門ドクターの問診を受ける。施設利用についての医学的なアドバイスを受ける。特に問題はなさそう。


トンボ帰りで家に戻り、荷物を入れ替え、ツレとともに銀座へ。今日は銀座のギャラリー巡り。いや「巡り」というほどではないが。


とりあえず絶対見たい展覧会があるのだ。これはほぼ毎年行っている「芸術浄土展」の特別版なのだけど、「ともいき芸術浄土展」。浄土宗芸術家協会が法然上人八百年大遠忌記念事業として開催する美術展で、日本画、洋画、書、写真、彫刻が展示されている。



浄土宗芸術家協会は、「浄土は芸術也」を具現すべく、宗内のあらゆる芸術分野で活躍するプロ作家の集団だ。浄土芸術の向上と宗教情操の高揚を目指しているという。なぜそのような展覧会に凡俗の極みたる蕃茄山人夫妻が言ったかと言うと、ツレの実家の菩提寺のご住職が参画されているのだ。


大阪は生玉の古刹・大善寺のご住職で航空写真家。少年時代より旅客機の美しさに惚れこみ旅客機専門に世界中で撮影してこられた。数年前までは関西国際空港のオフィシャルカレンダーの撮影も担当されていた。




ギャラリーめぐりに先立ち、有楽町で大勢のサラリーマン・OLの皆さんに囲まれて焼肉ランチ。その後、有楽町から銀座方面に歩いていたら、いきなりインパクト満点のポスターが目に飛び込んできた。


スパンアートギャラリー


スパンアートギャラリーで開催中の「はちみつ★イラスト展 乙女ゴコロ」だった。


セーラー服の美しい乙女たちが、ある物は日本刀を持ちまたあるものは自動拳銃を持ち躍動している。斬新でありながらどこか古風な色使いがカッコイイ。上村和夫のようでもあり都新聞のようでもある。


「はちみつ★」が作家名。注目していきたい。とりあえずそのカッコイイ作品のギャラリーをご覧いただきたい。←クリック!!


会期は3月12日 (土)まで。有楽町駅至近のスパンアートギャラリーはかの碩学、故・種村季弘氏のご子息が経営しているギャラリーで、そういえば僕も何度も来ている。林静一さんの展覧会や佐伯俊男さんの展覧会でね。



さらに銀座エリアに近づき、BLDギャラリーへ。朝日新聞にインフォメーションが載っていた「森村泰昌 肖像経済、その他」。



女優や偉人に扮したセルフポートレートで知られる森村氏の新作展。今度はその古今の偉人の自作自演で紙幣や切手になっちゃった。曰く、ゲバラ毛沢東アインシュタイン


その摩訶不思議な作品世界はギャラリーでご覧いただきたい。←クリック!!


いやはや面白かったーー。4月17日(日)まで。



そのあとはようやく当初の目的地である東京銀座画廊・美術館「ともいき芸術浄土展」へ。例年に増してずいぶんと大きな会場。大遠忌800年という事で、力が入っていることが知れる。


西島泰史師の作品はもちろん航空機写真。しかし飛行機はほとんど写っていない。主役は雲。雲と太陽が織り成す一瞬の奇跡のような表情を映した作品だった。


書の大作「和顔愛語 (わげんあいご)」のまえでしばし立ち止まる。僕はどちらかという感じの悪い人間なので、もちろん到底実行できていないが、「和顔愛語」は目標の一つなのだ。


無量寿経」の中の言葉で意味としては「善意ある和やかな笑顔と愛情あるやさしい言葉で相手に接する」こと。さらに「先意承問」と続けばそれは「相手の気持ちを察してその望みを満たしてあげる」ということ。


だからぁ、実行はできていないってば!!


このほかに浄土門主・御法主墨蹟展も併催されていて、こちらも重厚ですばらしかった。



つづいて「タカゲン」へ。入院しているときから

「退院したらタカゲンに行こう」

と思っていた。車椅子に乗っているときから、タカゲンに行くことはリハビリの目標の一つだった。


タカゲン。いわずと知れた、銀座のステッキの専門店である。明治時代の陸海軍の傷痍軍人の装具師から始まり120年の伝統を誇る、わが国のステッキ界の名展中の名店である。やはり紳士たるものステッキはタカゲンで買わなくっちゃ。


もちろん今は、紳士のたしなみとしてのステッキが使われないので、お店もほとんど袋物屋さんの体だったんだけど、奥の1コーナーにはステッキがたくさん並んでいる。


樫材、楓材、黒檀、紫檀、花梨材といろいろある。どれも良いなあ。手にしっくり来る。目移りすることギャラリーの如し。


値段は・・・・・。わっ!! 一番安いのでも70,000円くらい。こりゃ手が出ないわ。ガラスケースに入れて展示してあるのは103万円。こりゃ刀剣以上だなあ。


そんなわけで銀座の名店「タカゲン」でステッキは買わずに、木村屋でアンパン、鳩居堂で一筆箋を買って帰った。<こしおれ>


寒戻り 和顔愛語は ほど遠く