「降矢洋子油彩展」(画廊 岳)

午後、国立駅近くの老舗画廊「岳」へ。ちょっと久しぶり。



開催中の企画は「降矢洋子油彩展」。昨日、商工会のホームページで開催中なのを知った。いかん、見逃すところだった。



降矢洋子さんは国立の美術教育のパイオニアだ。長年にわたって子供の絵画教室を主宰して、多くの才能を引き出している。型に囚われずに自由に描かせてくれると評判だ。市内に多くの教え子を持つ。僕より年上の教え子もたくさんいる。


今回の展覧会は油彩の作品を30余点集めたもので、うーむ、見応えがあった。和風のモチーフを大胆に情熱的に洋画の技法で描き上げておられる。曰く、村祭りの獅子舞やお神楽、茶花の侘助(椿の一種)などなど。燃え立つような赤をバックに飄逸に舞うヒョットコなど、いくら見ても見飽きない。


このお祭りの風景というか空気に軽い既視感があった。かと言って谷保のお祭りでもない。どこだろう。思い切って、会場におられた降矢さんに聞いてみた。


相模湖だという。


僕は思わず膝を打ったね。


見たことあるのだ。既視感があって当たり前。3年前、次男・三吉(仮名・当時小6)と甲州街道徒歩旅行した折、高尾で雨宿りしている間に大垂水峠で日が暮れてしまい、このお祭りに出くわしたのだった



ところで降矢洋子さんの娘さんと言うのが誰あろう、絵本作家の降矢奈々さん(本によって「ふりやなな」「ふりや・なな」「降矢なな」など表記はいろいろ)である。「おれたち、ともだち!」シリーズ、「ちょろりん」シリーズ、「めっきらもっきら」等で絵本好きの絶大な支持を集めている。現在、スロヴァキア在住。


その昔、僕が国立一中で伝統ある、そして今は無き「国中生新聞」の編集長をしていた頃の編集員で、ニコニコと罪の無い笑顔とともに次から次へと手のかかる突飛なアイディアを出す才人だった。凡人の最たる僕は振り回されっぱなしだった。


電通鬼十則」に、


「周囲を引きずり回せ、引きずるのと引きずられるのとでは、長い間に天地のひらきができる。」


とあるが、なるほど天と地ほどのひらき、出ましたよ。


お嬢さんの件はともかくとしてこれはもうお勧めの展覧会です。残念ながら明日が千秋楽。4時半まで。旭通の一つ目のミニストップの角を左折してすぐ、スポーツクラブ・ルネサンスの向かい「画廊 岳」です。最後のチャンス、お花見がてら、ぜひ。



花見と言えば国立の桜、今こんな感じです。国立駅ホームから俯瞰。



ぜひ手ぶらでお越しください。お買物はぜひ国立の商店で。



そしてゴミはお持ち帰りください。<今日の一句>


花の町 花の画廊を 訪ねをり



そうだ、ここまで書いて思い出した、というか思いついた。今回の展覧会のお祭りの絵を見て感じた既視感。それは奈々さんの名作『めっきらもっきらどおんどん』の不気味でワクワクする「おみやのもり」やそこで出会う3人の魔物たちと共通するものが感じられたからかもしれない。もちろん後付なんですけどね。


めっきらもっきら
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