連休最終日。っていうのは堅気の皆さんの話。
僕にとっての「連休最終日」は人生最後の日、もしくは人類最後の日。
今日はアートめぐりをしようと昼食後、うちを出た。
階段に向かって歩きつつ、ホーム内店舗の「花まるうどん」の店内を見て足が止まった。
「E子くん?」
会社員時代の僕の部下(好きな言葉じゃないけど組織だからしかたない)。
新入社員で僕のチームに来た。
短期間で、驚くくらい優秀な編集者・事務員・営業マンに成長、行く先々で褒められて僕としても鼻が高かった。
それなのに彼女には「直属の上司が倒れて戦線離脱する」という、世間ではよくあるけどとても過酷な大荷物を背負わせてしまった。
気立てのいい明朗な「鉄女」で、「息子の嫁に」と思う人も業界に数多く僕もその一人だったのだが、去年、よい伴侶を見つけて結婚した。
そのE子くんが西国分寺駅ホームの花丸うどんで数人のお友達(同年輩の女性)と談笑しているのだ。こんなところでなにをしているんだろう。いやうどんを食っているのはわかる。なぜ西国分寺で。
声をかけようかと思ったが、先方はお店の中。一方の僕は昼食直後で、もう食えないから店には入れない。しかも昼食はうどんだったし。
颯爽と入って行って、皆さんにご馳走したらかっこいいのだけど残念、花丸うどんは先払い。
「このかき揚げ、あちらのお客様から」
ってのもなぁ。気の利くバーテンダーもいなさそうだったし。
それにお友達と一緒だし。突然杖をついてヨロヨロ入ってきた初老のヒゲ男に声をかけられたらお友達は、物売りか宗教の勧誘かと思うだろう。
そこでメールすることにした。ホームからガラス越しにメール。
「つかぬ事を聞くけど、今、西国分寺にいる? 」
反応がない。
じゃ、電話。
やはり反応がない。
あれ? マナーモードにしてバッグに入れているのかな。
それとも・・・・まさかの別人?
似てるんだけどなぁ、というか同じ顔だ。
まあいいや、また会う機会はあるからその時聞こう。僕も先を急ぐ、もう行こう。
そして武蔵野線に乗り込み、長いトンネルを抜けたころ返信があった。
「返信が遅くなってすみません。S市のS書店にいてメールに気づきませんでした」
な、なんと花丸うどんにいたのは別人だったのか!?
うーーーん。
これはなんというか・・・・。
実に惜しかった!!
世の中には同じ顔の人間が3人いるという。
僕もテレビに福山雅治が出ているといつも思う。
「もう一人はどこにいるのだろう?」
(小遊三かよ!?)
それはともかく3人しかいない同じ顔の持ち主の一人を発見したのだ。
捕獲して首実検を・・・、いやお声をかけてE子くんと対面させたかった。
別に第2のピーナッツや第2のリリーズを売り出そうというのではない。
ましては第2の「祐子と弥生」をプロデュースしようなんて、そんな大それたことは考えてはいない。
でも忘年会のアトラクションのドッキリくらいはできるよね。
長くなった。肝心のアートの話はまた明日。
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