下半期日程に入った。
設営した自分でいうのもなんだけど、木版画、刺繍と、土壁、彫刻欄間、杉板天井との相性はすごくいいと思う。
１２/１(火)まで。ぜひお見逃しなきよう。
１１/２８夕刻には作者によるトーク&ライブ。投げ銭。ささやかな「振る舞い酒」あり。
店番をしながらネットニュースの閲覧。
おおっ、佐竹の殿様がっ
秋田県の佐竹知事が御難に遭ったのだ。
殿様と書いたのは誇張ではない。秋田久保田藩ご当主・佐竹氏の嫡流。世が世なら殿様で、今も殿様という凄い話である。
今も残る台東区の渋い名商店街「佐竹商店街」も佐竹様の江戸屋敷の門前である。プーチンさんからもらった猫にメロメロなので全国的に好感度を上げたのも記憶に新しい。
御難というのは佐竹知事がブラジルに行ったとき、激やせを理由に「パスポートと顔が違う」と別室に連行されて取り調べを受けたというのだ。
病気によるものとのことだが、写真を見ると確かに別人。
出羽国久保田藩藩主をしょっ引くとは世が世なら無礼打ちである。
実は僕も７年前、ほぼ同じ経験をしている。
長男・虎太郎(当時１８歳)と北京に旅行した時のことである。その頃僕はダイエットをしていてその仕上げ段階にあった。中年男のメガダイエットの事例として「ターザン」の取材を受けたこともある。パスポート、免許証の撮影時点と４０キロ以上の差があった。
そのため、北京空港の入国審査で引っかかってしまったのだ。
パスポートの写真は１１５キロで角刈り。神楽坂の寺内貫太郎と言われていた頃である。北京旅行当時は７２キロとなり髪も伸びた。白髪も増え全体に枯れた印象となり、「養老孟司に似ている」とまで言われたくらいである（頭の中味が似ればいいのだが･･･）。
北京空港。係官は初めはニヤニヤして見比べていたが、そのうち怖い顔になり「この他のＩＤカードを見せろ」と言い出した。もちろん素直に見せたがその免許証も「寺内時代」だ。係官はヤレヤレという顔をすると監督官みたいな上司（係長か）を呼んだ。
「どうでしょオヤブン、こいつ。怪しくありません？」
と言っているようだ。
僕の後ろに並んでいた同行の長男・虎太郎はたった一人で取り残されて不安な表情を浮かべて･････いれば可愛いのだが、
「ちょーウケる！！」
などと言ってゲラゲラ笑っている。
係官は渋い顔でその様子を見つつ、
「ｙｏｕｒ ｓｏｎ？」
と聞いてきた。
「ＮＯ!」
と答えたかった。
一方の係長は怖い顔をして僕の顔とパスポートと免許証を三角に見比べていたが、やがて失望を顔に浮かべ、傍らの電話でどこかに電話をした。そしてちょっと離れた場所にあるブースに連れて行かれた。
そこには若いエリート風の課長（多分）がいて、なにごとか聞かれたが、僕は英語のヒアリングがほとんど出来ないので
「？？？」
だった。そのうち
「オーケー････」
と言って解放してくれた。思想的背景もテロをする志も無いのがお分かりいただけたらしい。
虎太郎は困っている僕を見て終始うれしそうだったが、さらにその後ろに並ぶアメリカ人の団体さん（なぜアメリカ人というのはあのように団体旅行が好きなのだろうか）は、もの凄く迷惑そうだった。
つまり佐竹の殿様に先んずること７年、武蔵国の風呂屋の小倅も同じ目に遭っていたのである。
これから先は「久保田藩の先鋒」、もとい
「佐竹の一番槍」
を名乗ろう。
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