ベツバラ? 熊本業務日誌 1

banka-an2003-08-22


熊本での仕事をすべて終えて熊本の中心地・通町から空港バスに乗り、熊本空港に降り立ったのは午後5時半。6時35分発の日本エアシステム312便に乗るのだ。ただちにチェックインをすませ、出発ロビーと売店がある2階に上がった(バスが着く1階には到着ロビーしかない)。

 熊本に来たのは今回が初めてであるが、この2階のスーベニール街に来るのは二度目だ。

 いや何のことはない、昨日、東京から熊本空港に着いた時、約束の時間までかなり間があったので、すぐにバスに乗らずに土産物店をさんざん冷やかして回ったというだけの話だ。

 熊本の名産品にはいろいろあるが、まずその筆頭は辛子蓮根だろう。他に熊本ラーメン、馬刺し、黒豚、焼酎、和菓子などいろいろなものがある。NHK大河ドラマ放映中の「宮本武蔵」関連商品の数々(熊本は武蔵終焉の地である)見るものさわるもの欲しくなってくる。

 昨日、日本エアシステム305便で熊本空港に着いたのは11時35分。朝早かったので結構おなかが空いていた。試食などするとすきっ腹だけに余計においしく感じる。ますます見るものさわるもの欲しくなってくる。かといって熊本に着いたばかりの今、買ってしまっては、仕事中、荷物になる。
そこで帰りに買おうと決めたものをリストアップした。

辛子蓮根
・馬刺し(冷凍)
・せんば狸まんじゅう(小振りでかわいいまんじゅう。♪あんたがたどこさ、肥後さ、せんばやまには狸がおってさ・・・・の狸である)
・焼酎最中(24個いり)
デコポンゼリー
熊本ラーメン(味千)
・熊本焼酎「文蔵」(名前が気に入った。山口瞳ファンなので)


 そして、一晩おいて今日、22日の午後6時。お土産屋さんに満載の山海の珍味を前に・・・・不思議だ、心が動かない。まさしく「食指が動かない」んだなぁ、これが。何も欲しくない。かろうじて家族への申しわけに何か一つだけ買おうと思い、迷わず「せんば狸」を買った。

昨日はあんなに心が躍り、「みぃんな買っちゃうぞぉ、全部テーブルに並べて食ってやる。一人熊本物産展だぁ!」と張り切っていたのに。なぜだろう。

 理由を考えてみた。すぐわかった。

 おなかがいっぱいだった。さっきバスを待つ間に上通町の「めしや丼」でカツ丼(大盛り)を食べていたのだ。

 やはり、おなかがいっぱいだと、食に関するイマジネーションが湧かないものなのだなあ。テーブル一杯の熊本特産品に囲まれる幸せを想像できないのだ。

じゃ、なぜ「せんば狸」は買ったのか?

 やっぱり甘味は「別腹(ベツバラ)」ということなのか。
 いままで不思議に思っていた同僚の女性たちの言い草が初めて理解できたような気がした。