谷崎賞に多和田葉子さん


容疑者の夜行列車


第39回谷崎潤一郎賞中央公論新社主催)の選考会が29日開かれ、多和田葉子さんの「容疑者の夜行列車」(青土社)に決まったという。この作品ですでに伊藤整文学賞を受賞している。
 「犬婿入り」での芥川賞受賞が最も印象深いが、たしか去年「球形時間」でドゥマゴ文学賞を受賞している。あと数年前には「ヒナギクのお茶の場合」で泉鏡花賞
 
 輝かしい受賞歴を持つこの作家、自慢にもならない自慢話だが、ぼくの姉の友人である。

 多和田さんは国立市の出身で、ご両親はいまも住んでおられる(ご本人はハンブルク在住)。 
 前職時代(10年前)、芥川賞受賞式のためでお里帰り中の多和田さんにインタビューをさせていただいたことがある。待ち合わせ場所の国立市内の谷保第三公園で名刺を差し出すとしげしげとながめ、

「蕃茄さん(仮名)ってお姉さんいらっしゃいません?」

 伺うと、多和田さんと姉とは、中学、高校時代の友人でしかも同じバンドにいたという(※注)。
 いやはや世間というのは狭いもんだなぁと改めて感心した記憶がある。

 多和田先輩(僕は中学の後輩に当たる)、ご受賞おめでとうございます。



    ※注 ブラスバンドなんすけどね・・・・・