手書きの文字、そして人生

 昨日の「Girlish 林あまり+遠野一実展」の話の続き。
 
 林さんがおっしゃっていたのだが、林さんは「書くのが好き」という。
 そりゃ歌人で、エッセイストで、作詞家 (坂本冬美夜桜お七」が代表作) で、劇評家(テレビにレギュラーを持っておられる)なのだから当り前じゃないかという人があるかもしれない。僕もそう思った。

 でもこれはそういう意味ではなくて、「ペンで紙に書く」というアクションが好きなのだとか。逆に「どういうことを書こうか考えることは苦手」と言ってコロコロと笑う(もちろん謙遜。そんなことはないのは言うまでもない)。

 当然、短歌はもちろん、エッセイの原稿も手書きだ。

 やっぱり短歌を詠む方は手書き派が多いんですか?

 と聞くとそうでもないらしい。ワープロ、パソコンに入力してあると歌集を編む時に便利なのだ。
 というのも、歌集というのは作品の並べ方によって全体の印象がガラリと変わってしまう。ワープロ、パソコンに入力してあると何度でも並び替えが可能で、プリントアウトした活字だと客観的に見ることが出来るのだという。

 「最初が明るい歌でも最後に暗い歌を持ってくると全体が暗い印象になりますし、最初が暗くても最後が明るいと全体が明るく前向きになるんですよ」

 なるほど。

 手書き派の林さんは短冊状に切った紙に歌を書いて床に広げて並び替えをするそうだ。

 会場にも林さんの生原稿が展示してあった。作風そのままの読みやすくたおやかで、それでいて力感のある筆跡だった。


 会場内にはたくさんの美しい生花があった。お友達からのプレゼントだ。一番目立っていたのは、みちのくプロレス新崎人生氏からのものだった。


 林さんが格闘技好きなのは、実は凄く有名である。