昨日・今日・明日

昨日・今日・明日、といってもソフィア・ローレンの話をしているんじゃなくて、天下市の話である。僕の住む国立の街の一大イベント「天下市」が昨日、今日、明日と開催されているのだ。
 
 商工会青年部の主催で昭和30年代に始まったと聞く。メインストリートの「大学通り」に市内の各商店が幅一間程度の出店を出すというお祭りだ。物販店、飲食店ばかりでなく、特定郵便局や、パチンコ屋さんも出店して、それはそれはにぎやかだ。

それと同じ日程の一橋大学の学園祭、明日のみの「くにたち市民祭り」がジョイントして、国立の中心部は一大お祭りゾーンとなるわけだ。中学生の頃はこの3日間でたくさんの隠れカップルが露見していた。つまり、お金もそれほどかからず健康的で楽しいイベントなので、老若男女、ほとんどの市民が繰り出すのである(ほとんど、は言い過ぎかな)。

 露天商(香具師)の皆さんもたくさん出店している。このデフレの時代に相変わらずの高価格に驚く。でも子どもたちが群がって消費しているのだから、この一見乱暴にも見える価格政策は実は正しいのだろう。うらやましい。

 当局の管理が厳しいことはよく聞く。店ごとに担当者の写真入の鑑札(?)が掲出されているのも、きっと義務付けられてのことだろう。でも年齢まで書いた書類を公衆の面前に掲出するのはちょっと気の毒な気がするな。「ほほう、スーパーボールすくいの圭子ちゃんは24歳か」なんてのがわかっちゃうんだからね。「ベビーカステラの伸二くん、27歳にもなってその舌ピアスはないだろう」なんてね。

 去年までは山ほど出ていて今年は一軒もなかった店がある。それはモーニング娘。のパチ物のクジ屋だ。300円で三角くじを買うと、その番号に応じてモー娘。の下敷きとかノートとかうちわとかもらえるというやつ。去年はそれこそ10軒ぐらいはあった。ところが今年は一軒もない。モー娘。の人気が落ちているということはない。ということはやめざるを得ない「なにか」があったんだろう。まあ、肖像権やら知的所有権やら、とにかく法律に違反しているのだからしょうがないのだろうけど。これも当局の管理強化の一環かと邪推の一つもしたくなるのである。

 今年は「NOVAうさぎ」グッズのくじ屋さんが出ていた。全部かどうかはわからないが、次男・三吉(仮名・小一)があてた「うちわ」はあきらかにパチ。そしてその露店が本物の「NOVA国立校」のすぐそばに出ていたというのもなかなか、凄い図だった。

 あ、そうだ、昨日、「(大宮)東口の話はまた明日」、と予告したのだった。忘れてた。
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 昨日、再開発都市の大宮駅西口のことを書いた。
 一方の東口。こちらはディープなダウンタウンだった。それも、東北、北陸への玄関口であるせいかどうかわからないが、どこか北国の香りのするダウンタウン、一昔前の北の地方都市の風情があるのだ。
 二間間口の飲み屋が立ち並ぶカスバめいた路地もあれば、渋すぎる風情の地元資本のデパートもある。薄暗いアーケードの商店街ではお惣菜を売っている。薄暗いけど活気はあって人はたくさん行き来していて、なんか懐かしいにおいがする。住みたいなぁ、こんな町。

 「どっと混む横丁」というなんともベタな、痛くも半歩遅れのネーミングの横丁を見つけた。そこにあったのが「オスカー」というビル。飲食店や洋服屋さん、美容院が入っている(入っていた)ビルのようなのだが、その看板というかアーケードのデザインが凄いの。

描かれた当時の「スター」の似顔絵と思われる人物がおすすめコメントを述べているというもの。今となってはモデルが誰なのか、いまひとつよくわからないのだけど。判った方は蕃茄庵までお知らせを。右から二番目は淳子かな?

いずれにせよ、国立ではモー娘。のパチものが姿を消し、大宮ではスター(?)のパチものが今なお生き続けている、ということは言えるだろう。ちょっと強引か。