仏師・鐡凡先生

banka-an2003-11-12



今日から小田急百貨店新宿本店6階アートサロンにて吉村鐡凡展。
早速伺った。

鐡凡先生は仏像専門の彫刻家。仏師っていうのかな。わが町の「市宝くにたち」こと関頑亭先生のお弟子さんである。

仏師というと眼光鋭く孤高でストイック、みたいなイメージがあるが鐡凡先生はいつもニコニコ柔和でお洒落でスマート。一見すると仏師というより、声楽の先生とかダンス教師とか洒落た喫茶店のマスターといった雰囲気だ。

 作品も柔和でやさしい。お地蔵さんなどは本当に愛らしく見つめあっていると時間を忘れてしまう。癒される。それと印象に残ったのは印材に彫った小さな仏様。当たり前だけど実印くらいとちいさくて可愛い。
鐡凡先生の作品は仏像でありながらどこかモダンな香りがする。それが凄く魅力だ。仏画もいい。弁天様や鬼子母神など凄く色っぽい。年末にやるエソラの「はがきゑ展」にも出されると思うので近所の方はぜひ見ていただきたい。
 
 ところで今回の個展のメインは下の写真にある釈迦如来像。木心乾漆と言って、木の心に漆を塗り重ねていって成形するというもの。独特の深みのある質感がある。そして影が凄く柔らかくきれいに出る。この技法は奈良時代からある古い技法なのだそうだ。