やまんばうさぎさん

昨日の鐡凡先生の展覧会に同行してくれたのがHN「やまんばうさぎ」さん。
 和歌山県の山あいの小さな村の本屋さんの若奥さん。僕が最も尊敬するビジネス・パーソンの一人だ。詳しくはリンクを参照のこと。年に何回が東京に来ては、強行軍で何件もの仕事をこなされる。

 ちょうど昨日、商用で東京に来ておられたので付き合っていただいた。なんとなく仏像と相性がいいような気がしたのだ。

 はたしてそのイメージは正しくて、聞けば、やまんばうさぎさんは日々、信心と近いところで生活しているという。お子さんを連れて路傍の野仏に手を合わせることなども多いという。それだけに鐡凡先生の作品に熱心に見入っていた。なかでも印材の小さな仏像、しかもリアルに彫り込まれたのではなく、ボワーっとした輪郭で、鍾乳洞によくある仏像を思わせる鍾乳石のようなイメージの作品に心を奪われていたようだった。
 
 僕などは無粋で無信心で、作品に感動しつつも上手く言葉にできないのだけれど、さすがにやまんばうさぎさんは、感想や質問(技法や素材などについて)を鐡凡先生に、まるで女学生が校長先生に質問するように投げかける。それを鐡凡先生がニコニコと丁寧に答える。ほほえましい、いい図だった。

 実は昨日の日記で木心乾漆の釈迦如来像について知ったようなことを書いたが、これはすべてやまんばうさぎさんと鐡凡先生の会話を聞きかじってのものなのだ。


 展覧会の後、やまんばうさぎさんは次の厄介な商談にむかわれた。本当に頭が下がる。