関敏先生とその作品世界

11月15日(土)〜11月24日(月)のあいだ開催された「俳画3人展」。土日祝、つまり15、16、22、23、24はずっと会場にいた。マスオさんに頼まれたわけでもなく勝手にいたのだが、思わぬ再会がいくつもあったからいてよかった。平日はさすがに来れなかったけど、その時に逃した再会もきっとあったろうと考えると惜しい。

  僕がエソラに「出勤」した日、毎日来てくれていた人がいる。

  石彫家の関敏先生だ。夕方になるとフラリと店に現れてはコーヒーを飲んでおしゃべりをして帰っていく。エソラ(=キャットフィッシュ)のごく近所にお住いなので、自分でコーヒーを入れるよりずっと早いのだろう。仕事の途中だったのだろう、石の粉がたくさんついた皮のスリッパで来たこともある。

  とても気さくで話好きな方で、この数日間で僕はずいぶん石について詳しくなってしまった。大理石は石灰岩系で酸に弱いからみんな注意してネ。

  国立にいて敏先生を知らない人はモグリだ、と言ってしまおう。ご本人のことを知らないのは、これはご縁のものだからしかたないが、作品は知っているはずだ。国立の中に十数点の作品がある(個人所蔵を除く)。僕も子どもの頃から作品とお名前は知っている。でも、まさか中学の後輩で僕の次に「國中生新聞」(いまはもうない)の編集長をやったケンちゃんのお父さんだとは知らなかったが。

  23日に敏先生を囲んで、「ほんやらなまず句会」の二庵宗匠、マスオさん、「どんなくにたち」の田中えり子編集長、俳画カレンダーを印刷したユウメイプリントのオヨべ先輩、そして僕でしゃべっていた時、戯れに敏先生の作品を順に一つずつあげてみた。

  まず有名どころでは、天神様の牛。ブロンズじゃなくて石の方ね。あと天神様では「山口瞳文学碑」、「和魂漢才」の碑、「原田重久句碑」。芸小ホール前の大きな石のオブジェ「襞」。公民館玄関前の小さな「座牛」、駅前ロータリーの「時計台」。南養寺「弁才天」。東京女子体育大学の中にある全長18メートルのレリーフ(さすがに女子大の中だから僕は未見)。最新作は駅前「せきやビル」の巨大レリーフ。まだ他にもいくつもある。

  そうだ、作品マップを作って「作品めぐりツアー」をしましょうよ!!

  田中編集長が叫んだ。
  うん、いいアイディアだ。ぜひ参加したいぞ。
  
 

 画像は、天神様の梅林にある山口瞳先生の文学碑(撮影はサックスの中村誠一氏)。下のパーツが「山」の字、上のパーツが「口」の字を表しているのがおわかりになろうか。裏側に寄進者の名前がずらりと並んでいる。ちなみに僕はその中で二番目に若い。最年少はケンちゃん。