流転の王妃・最後の皇弟

この週末をずっと楽しみにしていた。テレビ朝日のドラマ「流転の王妃・最後の皇弟」である。

前後篇二夜連続で昨日は第一回。今晩、これからが第二回。
常盤貴子嬢のおひい様ぶりや台詞回しに注文が無いではない。あと原作にないエピソードやキャラクターがちょっと過剰かな、という気持ちも無いではない。無いではないが、全体的にはかなりよくできていて見ごたえがあったと思う。

生来、集中力が欠如し、1時間のドラマも退屈してしまう僕が何故、合計5時間半にも及ぶドラマを見るのか・・・・・?
  実は僕は傳傑さんのファンなのである。傳傑さんに関するものはとりあえず手にとることにしているのだ。以前、北京に行った時も傳傑さんが看板の文字を揮毫した安ホテル(日本人とアメリカ人は皆無。ドイツ人はいた)で9日間すごした。

傳傑さんは本当は小柄な方で、ルックス的にはどちらかと言えば工藤大佐を演じている段田安則の方が似ているかもしれないが、竹之内豊も誠実をよく表現していたと思う。

傳儀のお小姓・陳藩役の西島千博も妖しくていいね。原作に無いキャラクターだけどいい味を出している。パーティーの場面で踊っていたのは「海賊」かな?

 
それでは、マニア向けの薀蓄を少々。
今回のドラマの原作は、浩さんの著書『「流転の王妃」の昭和史』(新潮文庫)と、傳傑さんの著書『傳傑自伝』(河出書房新社)。ちなみに『「流転の王妃」の昭和史』は手に入るが、『傳傑自伝』(河出書房新社)は手に入りにくい。
 
  さて、『「流転の王妃」の昭和史』はなぜ「流転の王妃」がカッコつきになっているか? それは同書の親本が出てのが1984年。それにさかのぼること25年以前の1959年に浩さんは、『流転の王妃』という本を書いていて、それを昭和史を知らない若い人にもわかりやすいように加筆修正したのが『「流転の王妃」の昭和史』だからだ。

  それから映像化も実は初めてではない。「流転の王妃」のタイトルで、1960年に大映で映画化されている。監督は田中絹代。役名は仮名となっているが、浩さんを京マチコ、傳傑さんは船越英二が演じている。

  ちなみに、長女の慧生さんに関するエピソードも映画化されている。ネタバレになっちゃいかんので、タイトルは記さない。1958年、怪人・石井輝男監督による新東宝映画。慧生さんの役は三ツ矢歌子が演じている。


  さて時間だ。後篇を見よう。

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